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  映像研究

新しい

 
・時は流れて4月も半分を過ぎた。いつからか繋がっていた時間を思う。この、時間のかたまりのようなものは、いつから続いていたのだろうかと考える。それを季節と呼ぶのか。シーズンあるいはシークエンス。年度を跨ぐジャンプとともにフェスティバルの準備が始まったのが恐らく12月くらいだったことを考えると、その時から先週末までがひとつのかたまりのような時間だった。


・そしてそのかたまりの時間の中で、新しい土地に移って新しい家族になる。数年前ならば想像もできなかったようなことが次々に起こって、そしてひとつひとつの出来事を解釈する余裕もなく、面白くて有り難い変化として感じ取りつつ、気がついたならば全然違う場所で文章を書いていた。


・文章を書くこともまた(筋力のような)トレーニングに拠るところがあるのだから、継続して書いていなければ、長い文章を書くことができなくなっていた。また少しずつ書く。再開であり、続きであり、新しい始まりでもあるような、言葉について考えるかもしれない。あの、自分が好きなイメージとしてある「忍者が少しずつ成長する植物を飛び越えている間にどんどん高く飛べるようになっていく」ようなことをする。だけれども、やめる時にはやめる。また芽が出たばかりの植物を飛び越えることから始める。筋力と持続について。


・筋力が必要になってくるかもしれない。イメージとしての筋力と文字通りの筋力。新しい家から最寄りの駅までは自転車で10分弱(下り坂)、そして駅から家までは10分強(上り坂)なのだから、その往復を繰り返すことで自分のからだに「自転車に乗る」という新しい動きが加わったならば、その動きに応じた新しい筋肉がつくかもしれない。10年ぶりくらいに自転車に乗るし、そういえば初めて自分のお金で自転車を購入した。「TREK」と書いてある青い自転車。速くて丈夫そうだかから一目惚れして買った。


・天気が良い日には自転車で行けるところまで行くのも面白そう。定期券も一新して新しい通学路(通勤経路)になった。何度も「新しい」と書いてきた。新しい。その言葉を確かめるように発音して、その新しさの中を進む。