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  映像研究

中断して

・日曜日。家で一日作業する日。

 

・作業の合間に途中家で観られる映画をと思い、床に積まれたなかの一冊『LOOP 映像メディア学 vol.13』を手にパラパラしながら手嶋悠貴監督『映画:フィッシュマンズ』を観る。バンドという対象に焦点を当てたドキュメンタリー映画としてこれ以上無く練られた作品と感じる。充実の鑑賞(試聴)であると同時に、表情や声が伝える情報が膨大でぐったりしてしまう。そして制作プロセスを読み、このような撮影や編集を成し遂げた人たちの精神の強さに圧倒される。

 

・もう生きていない人に焦点を当てること、特に、さまざまな理由による早世の人に焦点を当てた制作や研究について考える。ひきつけられる気持ちと、深く追うことをためらう気持ちの両方がある。「あの人はいったい何を見ていたのだろうか」と知りたい、分かりたい気持ちがある反面、もしもわかってしまったならば、そして同じものを見てしまったならば、自分もまた他者から切り離された場所に向かってしまうのではないかとおそれもする。自分の場合は、そのおそれは大きい。

 

・他者から切り離された場所に背を向け生きるほうへ反転することは、それぞれの人の意志、努力、工夫、その他もろもろの偶然によって実現するのだろうかと、映画を見たあとに考えていた。けれども、本当は「背を向けて」ということでもないのかもしれない。考えたいことは他にも多くある。たとえば「若さ」とについて。

 

・中断して。