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  映像研究

カレンダーを書く/儀式の日

・書くことが難しいと感じるときにも書いてみる。

 

・6日のこと。朝早く目が覚めたからデスクに向かう。4月の間ずっと片づけていた部屋のデスクで5月からは新しい勉強をはじめたい。何かをはじめるときにA4のコピー用紙に予定表を書くのは論文を書いた以来の習慣。一週間の曜日ごと「午前」「午後」「夜」と分けたブロックに動かない決められた予定を書き入れる。たとえば毎週の業務。そして空白が未来。あるいは未来をつくる時間。業務の基盤をつくりなおすことが今年度の大きな課題だが、並行して短い論文を書きたい。さらに身体について知ることを通じて体調を整えたい。そして何よりも新しい勉強の準備をしたい。錯綜した願いを整理し実現するための作戦を立てる。

 

・新しい勉強に関して。昨日ひとつの連絡を送り返信をいただく。これまで学びの対象として焦点を当ててこなかった事柄に目を向けた時の新鮮な気持ちを記録しておく。

 

・5日はお通夜。6日は告別式。5月のさわやかな気候に膨れ上がる気持ちと喪に服す気持ちと。

 

・他者の死によってこの生を顧みる。そして自分の生を離れて、過去に思いを馳せる。過去の人間の営みに触れる。さまざまに考えることがあるが、しかしそれは少なくとも現在の自分にとっては文字にできない。沈黙が相応しい。個別の出来事から思考が紡がれたならば、別の形でいつか書くかもしれない、とだけ。

 

・告別式の後で、喪服のままで、犬の散歩をする。厳密には、犬の散歩をする家族と一緒に歩いた。その時間を不思議に感じた、とだけ。電灯で微かに見える姿をiPhoneのカメラは明るく映し出す。がさすがにぶれていて身体の部位は消えてしまっている。犬も人も。

 

・誰にも見せることがない、ましてネットワークで共有しない、このような写真のイメージが、自分に何かを思い出させるのだろう。そして何かに気づかせ、何かを教えてくれる、かもしれない。