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  映像研究

元気

・考えたことを、忘れないように書いておく。3月のある会話を思い出す。自分の学位授与式の際に数年にわたってお世話になった先生と、最近の学生の様子について話をする機会があった。その方が「元気があれば良いと思うんです」と話された言葉の意味が、その時点では、言葉の意味としてしか理解できなかった。けれどもその後数ヶ月の時間を経て、その時に発せられた「元気」という言葉が示していたことについて考え、その考えが膨らみ、現在の思考や行動に影響している。元気とは何か。たとえば、はじめて会った時に元気を発していると見えた人が、自分が提供する学びのプログラムを続けていく上で、次第に元気を失っていくように見えることは、いったいどういうことなのか。楽しいだけではない、難しさや手応えの中にこそまさしく学びがあると、そう思う気持ちもあるし、実際にそのような考えを基礎にしているが、一方でしかしその学びが、ある人の元気を失わせるようなものであるとするならば、諸々の相性云々を考慮してなお、学び自体を点検する必要がある。そのような学びのプログラムは、何か根本的に間違っているのではないかと、考えてみる必要もある。あるいは「元気」とは何かについて、考えを進める必要もある。人間を観察すれば元気が分かるのか。