&

  映像研究

永久保存/これは何か

・後から書いておく土曜日。殆ど一日中雨が降る日。自宅の片付けが課題だった。

 

・住宅の至るところに本が溢れ、雑誌も溢れ、何から手をつければ良いのかわからない。書斎のような部屋を書斎のように使っていた時には気がつかなかった。本や雑誌にアプローチすることが難しいため、こんまりのメソッドを部分的に思い出し、まずは衣料品に目を向ける。去年も着ていないような春夏の服はもう処分しても良いだろう。そのように考えて、特別に思い入れのある服も、可能な限り処分する方向で山をつくる。

 

・そのまま処分する山と、リサイクルショップに持って行ってみる山。

 

・書斎的な部屋のWIC(ウォークインクローゼット)は物が満ちて全然ウォークできない。ウォークできない結果本来の収納許容量を生かしきれていない。そのように考えて、ずっと処分を考えていたVHSテープの箱を開く。10年ほど前にはそれらの映像をDVDに移すこともしていたが、気づけばもうDVDでもなかった。YouTubeに誰かがアップロードしてくれていることを願いつつそのテープを消滅させる。ラベルを見つめれば小学生の自分が書いた文字。

 

・「永久保存」のシールを貼ったラベル。その願いを30年後の自分が見る(読む)。ローマ字表記と英語の差は理解していない。まだ平成が新鮮だったことが想起される。

 

・永久に保存することを願った過去の自分にごめんと思いながら物を処分する2023年の春。この生活を継続するためにこそ、この生活の各所をメンテナンスする必要がある。その意志に基づいて、視界に存在しながら意識されない部屋のさまざまな事物に焦点を合わせる。必要か。使うか。ときめくか。そもそもこれは何か、と。

 

f:id:MRTR:20230417192456j:image