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  映像研究

おそろしい

 
・おそろしやと思うほど何かを良いと思うこと、良いとかでもなく惹きつけれられてしまうこと。たとえば店でふと手にしたTシャツがその瞬間からTシャツであることを超えんばかりの力で自分の何かに訴えかけてくること。物欲というのか。物欲を肯定することが許されるならばしかしそもそも物欲というのは表面的な言葉でしかない。その「物」が「どう」自分の「どういう」「何に」激しく訴えかけてくるのかということを考えなければ意味がないじゃないかと考えながら(学生であれば授業をTシャツのことを考えて上の空で過ごしたのち)売り場を再訪したならばそのTシャツはすっかり売り切れてしまって「ああなんて自分はダメなんだああ自分はだからダメなのだ」と考えるような経験が重要だ。何かをクリックして購入することにもそういう時めきや欲望やぱーと開ける感じやじわーと広がる感じがあれば良い、と書いていてまるで何かの中毒の人が書くような表現だなと思ったけれども中毒それ自体がすべて必ずダメだということでもない。あらゆるところに中毒はありしかしその中毒について自覚する必要がある。


・全然関係のないことを書いてしまっていて元々それは「良い音楽とりわけ自分の場合には『うた』を聴いた時のこと」を記述しようとしていたのだった。たとえばそれはいま聴いた『後悔』という歌の良さ。歌を歌うことにある力がはっきりと且つじわじわとわかる驚き。コーラスワークという魔法。何度も聴いてしまう。