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  映像研究

明るくなる

 
・最寄り駅の改札の前のパン屋のイートインコーナーでモーニングセット。夜からの雨が上がってどんどん空が明るくなるのを見ている。部分的に晴れてきたならば雨で濡れたところが光る。許された時間。バスを待って病院に行く。病院に行って検査を受ける。病院の待ち時間も悪くない。余程のことがない限り誰も何も責めることができないであろう時間。本を読むこともできる。待っている時間の幸福がある。


・昨日業務で電話した先で「お父様にお世話になりました」と唐突に、偶然に、言われて、一瞬何のことだかわからなかったけど話を聞いて、ああそうだったのですねと思ったことから、3年前の今くらいの季節のことを少し思い出した。業務と論文と看取りの手伝いとであっという間に過ぎた時間があった。あのような日々において、もっと機械的な記録、例えば写真や、映像や、音声を残しておけば良かったんじゃないかと思う反面、やはりそれは無くて良かったんじゃないかとも思う。


・アーティストの人間活動はある意味では贅沢なことだと思う反面で、そしてもちろんこの日々こそが人間活動と言えるべきだと思う一方で、では、そこでニュアンスで示される人間活動とは、たとえば自分にとっては何だろう?どういうことだろう?と時々考える必要もある。