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  映像研究

花粉〜JLG・180°SOUTH〜花粉

 
・休日である2月最後の日曜日。労働がない期間に色々なことをしたいが今は学習の期間ということにしているつもり。しかしそんなときに問題となるのは「VS花粉」ふと街で辺りを見回すとマスク率は軽く半数を超えている。そうして半分以上の日本人は姿の見えない敵と戦っているのだということを知ったところでどうということもない。昼過ぎに外出して図書館。全然読めなかった書籍のうち数冊を返却。数冊は引き続き借りてみる。そのうちの一冊は、ジル・ドゥルーズ『シネマ』。読んでみたいと思う。


・それで夕方からは非常に久しぶりに渋谷に降り立つ。246を歩き青山ブックセンターへ向かい、予約していた平倉圭という人の「ゴダールを解体する─『ゴダール・ソシアリスム』分析から出発して」というレクチャーへ。年明けの『ゴダール・ソシアリスム』鑑賞からしばらく経って、しかし時々「あの映画は何だったんだろう」と思い出したりもしている自分にとって、何か興味深いことを聞きたいなあと軽い気持ちで申し込んでいたのだけれども、端的にとんでもないレクチャーだった(良い意味で)。『ゴダール・ソシアリスム』のデータをPremiere(?)にぶち込んで、シーンごとの音声を解析しつつ、その編集の、構成の、すべてにゴダールの意図を読み取るという壮大なプロジェクトの一端を2時間で見せてもらうという非常に特殊な体験。ほとんどフレーム単位の音声の操作を分析することからスタートして、最終的に「2010年型の革命のスタイル」を導きだす手順は本当にエキサイティングだった。エキサイティングすぎて疲労する。


・その後せっかく渋谷まで来たのだから、全く別の種類の映画体験をして帰ろう。そう思ってPARCOの上のシネクイントにて、ずっと観たかった『180°SOUTH』を鑑賞。夜からの回だったこともあって、もしも眠くなったら寝てしまおうというくらいの本当に軽い気持ちで観たものの、当たり前だが全く寝なかった。爽やかかつちょっとお洒落くらいの山岳ムービーだと思っていたし、実際そういうところもあったけれども(雑誌の紹介文には「元祖エコ男子」って書いてあった)、全体的にはpatagoniaのイヴォン・シュイナードと、THE NORTH FACEのダグ・ トンプキンスに憧れて旅を始める若者のロード・ムーヴィーでありつつも、後半に進むにしたがって、その2人それぞれの「アウトドア・アクティヴィティと地球環境に向けるまなざしの関係」のようなものが直接言葉で語られるようになってきて、最終的にはチリに建設されようとしているダムに反対している住民たちの運動を紹介している。ということで、ずっと映画を観ていた流れからすると思わぬ展開で(ここでもまた)「ローカリズム」「グローバリゼーションの負の部分」について考えさせられることとなった。


・そのようにして花粉の静まった渋谷から高尾まで戻ってくる。粉には粉の都合もあるのだろうし、そのように粉が舞うようになってしまったのも人間の都合かもしれないと少し思う。だからマスクはしたくないし、薬も出来る限り飲みたくない。もう3月。