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  映像研究

幸せの経済学


映画「幸せの経済学」完成試写会 & ヘレナ・ノーバーグ=ホッジさん 来日特別トーク


日時:2011年2月23日(水)
第一部13:30〜17:00  第二部18:00〜21:15 (17:30受付開始)
会場:立教大学 池袋キャンパス 14号館301教室


第一部
13:30-14:00 「懐かしい未来」ダイジェスト版 上映
14:00-15:20 「幸せの経済学」上映
15:30-17:00  ヘレナさんトーク テーマ【食・健康・子育て】ゲスト:丹羽順子さん


第二部
18:00-18:30 「懐かしい未来」ダイジェスト版 上映
18:40-19:50 「幸せの経済学」上映
20:00-21:15  ヘレナさんトーク テーマ【お金・働き方・エネルギー】ゲスト:鎌仲ひとみさん


主催  :NPO法人 懐かしい未来
共催  :ヘレナさん来日上映会実行委員会、トランジション・ジャパン
映画配給:ユナイテッドピープル

・この上映の第二部に行ってきた水曜日の夜。本で読んだだけだった『懐かしい未来』の映像が観られたのも良かったし、それを元にして『幸せの経済学』が作られたということがわかる流れになっているところも良かった。全くの「環境」となったことで言葉としては意識されなくなったとも思う「グローバリゼーション」に焦点をあてて、その問題点を丁寧に挙げ、その先に「ローカリゼーション」の展望を示すという、本当に今必要とされている知識のための映像。「ローカリゼーション」と関係のあるキーワード「トランジション・タウン」「パーマ・カルチャー」など、いちいち「うんうん」と頷きながら観てしまった1時間と少し。情報量が多いからか、考えながら観ているとあっという間。


・個人的には『懐かしい未来』で(ラダックの人びとが昔からの生活において)「相互依存していた」、というその「依存」という言葉をネガティブではない肯定的な意味で使っていたことが新鮮だった。「自然と動物、動物と人間、自然と人間、そして人間同士も『依存』し合って生きている」という表現の面白さ。そして『幸せの経済学』の中での「環境の問題を個人(の消費)で解決しようとしないこと」という点も大切であるように思う。それはあくまでも「グローバリゼーショの問題点」つまり「貿易と企業の問題」なのであって、「環境の危機に『エコ商品の購入』でしか関われない」という考え方を持つ必要はないという発想、これもまた、そう言われてみればなるほどその通りと思う。あと全然違うレベルだけど「ローカル・フード」についてのセクションで、ギャングスター・ラッパー的な2人の男性(多分アメリカの人)が「車の工場で働くより、これからは農業だよ」みたいなかんじで荒れ地で野菜を育てている場面は何かちょっと面白かった。


・そうして上映後は『ミツバチの羽音と地球の回転』の鎌仲監督とのトーク。「ローカリゼーション」と「エネルギーの問題」はすぐ隣り合って接続される問題ではないけれけど、もちろんやっぱり繋がっていて、そこにはそれこそ「人間と自然が『依存』し合って生きる」生活があるのだろう。あるいはまた同じくタイムリーな話題であるところの「TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)の問題」に触れていたことも意味が大きい。トークの後半でヘレナさんは「ローカリゼーション」について「グループを作って楽しみながら続けることが大切」というような内容のことを言い、そしてそれにも答えるかたちで鎌仲監督は「こういう映画の話をすると『宗教でも始めたの?』とか言われ兼ねないよくある問題」というような表現でさらっと(笑い飛ばしつつ)運動の課題を挙げていた。そしてそこでは「(否定よりも)より良い環境を作るためのアクション」として伝えることが大切だ、ということを言っていたように理解したけれども、それもこれも「今まさに上関で起こっている問題」に対して現実的に、直接的にコミットしてもらいたいという意識の現れなのだと感じた。今日も「満月tv」はどんなマス・メディアも報道したがらない出来事を伝える。


・そしてそこから「日々継続的にやること」「イベント的にやること」「それらを伝えること」が大切だとあらためて考えた。具体的なことは考えていつつ更に考え続ける。ちなみに今日もtwitterのタイムラインは「#kaminoseki」「#shiakei」「#anti_tpp」で賑やか。