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  映像研究

そしておよそ2週間が過ぎた。

 
・過ぎた。あっという間に過ぎゆく時間。色々あった。色々なことが。そしてだから「色々な準備をしていた」とか記したいところなのだけれども、実際のところあまりそれらしいこともしていない。「2ヶ月間(12月〜1月)喋り続けたような日々だった(ような気がする)のだから、1ヶ月くらい全く喋らないくらいでちょうど良いのではないか」とか思ってるような日々。時々人に会い、しかし基本的には家で本を読んでいる。あるいはどこかへ出かけて何かを見ている。人工物や自然物を、商品や芸術作品を見ている。



・横浜方面に行った。あざみ野というところでやっている展覧会に知人友人が出展しているのでそれを鑑賞。せっかくだからと横浜美術館に行くも木曜日が休館日だったので高嶺格展は観られず。せっかくだからと神奈川芸術劇場チェルフィッチュの『ゾウガメのソニックライフ』を観劇。今までの4回観たチェルフィッチュ関連の芝居の中で最も眠かった。でももしかすると一番良かったかもしれない。感想のようなものを備忘録しておこうと思うけれどもまとまらないのでやめる。移動中に買ってからほとんど読めてなかった『思想地図β』の特集「ショッピング/パターン」の対談を2つをまとめて読む。なるべくショッピングをしないならしないに越したことないし、パターンと言われるとそうでないことをしたいなぁと思うような自分にとってもなかなか面白かった。しかし「そんなにどこもかしこもショッピングモールばっかじゃないだろう」と思いながら、電車を降りて桜木町横浜美術館方面に歩いたならば、そこは完全にショッピングモールだったので震える。「生活をマネージメントすること」「そしてその生活を正しいものであると考えるために論理を作り出すこと」について考えた。それは『ゾウガメ』と『思想地図』の接線として。



・高尾山に登った。雪の降った次の日の昼すぎ、近所に住むT夫妻が窓の外から声をかけてきたのだった。「せっかく雪も降ったし高尾山頂まで散歩するのだが一緒にどうか」と。7秒ほど考えて行くことにして2分くらいで着替えて外へ出る。そんな日は写真撮影はT君に任せてほとんど手ぶらで歩く。高尾山の裏登山道を1時間くらいかけて登って頂上でブレイク。ロープウェイの終着駅を過ぎたあたりから気温がぐっと低くなって、踏む足下に積もった雪の質も違っていて、高尾山とはいえ山、というか、そう思って周りを見回してみれば風景も全然違っていてそれがちょっと良かった。そしてちょうどその日の夜には山部メンバーで2月のお誕生日会。国立の山小屋みたいなレストランでささやかでありつつも豪快なパーティー



・『マレウレウ祭り』というイベントに行った。アイヌの伝統歌「ウポポ」を歌う「マレウレウ」とUAのライブを夕方の浅草の横目に見ながらアサヒアートスクエアにて。プログラムが始まって早々マレウレウの声の重なりに驚きつつも引き込まれ、そしてUAの歌声にはポップ・ミュージックの素晴らしさを再確認させられ、そして後半は会場全体で輪唱する。あっという間の2時間半は終始なごやかな宴だったがアイヌ料理のフードの列に並ばなかったことだけが本当に心残り。終了後は声をかけてくれた古本泡山のS夫妻とその友人の皆さんとまた別の宴へ行き、こちらもまたなごやかな(本当の)宴。



・その他に某カレー店の本棚型古書店に今年最初の納品を済ませて、並行して例年よりもかなり早めの確定的な申告を済ませて、暇だったので歯医者に行って飛び込みで親知らずを抜き(とりあえず上の歯を一本/また様子を見て次を抜く予定)、一方職場のチーム同僚から誕生日プレゼントに貰った「メンズエステの招待券」を使ってフェイシャルなんとか的なものをしてもらうために渋谷のそういった施設へ行きつつ、あるいはまた「仕事が一段落したらご飯でも」と言っていた大学の先輩方とともに、今しか食べられないものとしてのオイスター・バーで牡蠣を食べ尽くすナイトを敢行。晴れて暖かな日はカメラを持って久しぶりに裏山(と呼んでいる家の近所)に出かけて定点観測的な写真と動画の撮影。しかし本当はカメラよりもスケッチがしたいのだということをカメラを向けた瞬間思い出した。図書館で本をまとめ借り。去年読んだ鶴見俊輔『限界芸術論』の横に、柳宗悦の「民芸」を置いてみる。そして宮沢賢治についても知りたい。「さまざまの生活」を。



・なるべくひっそりと家で夜を過ごそうと思うと連日USTREAMで何か面白いことをやっているようでもある2011年の春のはじめ。17日は「阿佐ヶ谷ロフトA」の「ソーシャルネットワーク時代のシェアハウス」を。そして18日は「<ラウンドテーブル>アート番組の未来:アート・ジャーナリズムを考える」を。更に19日は「小学生でも分かる原子力発電所の話」と同じ時間に、ヘレナ・ノーバーグ=ホッジさんの『幸せの経済学』の上映後のイベントが。テレヴィジョンを持ってないなりに、あっても観る暇がないだろうと思うくらい色々なところで色々なイベントを中継している。そしてtwitterのタイムラインではその中継の解説やら感想やらが随時流れてきてそれもまた忙しい。twitterのタイムライン繋がりで言えば、去年の夏に観た『ミツバチの羽音と地球の回転』が渋谷のユーロスペースでの上映が始まって盛り上がっている模様。また観たい。そして考えたい。「幸せの経済学」とともに観て、経済についても考えたい。26日のTPPのイベントにも行く。TPPについては引き続き考える。すべてが実際的な事柄で、それらについて考えて、そして考えをまとめたい。あと、暇だったらゴダールについても考えたい。