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  映像研究

任意の言葉が時の河を流れてくる。

 
・21日月曜日。業務へ行くべく6時前に起きてテレヴィジョンの代わりにつけたtwitterのタイムラインは「山口県の上関に原子力発電所を作る工事を中国電力が始めた」という話題でどんどん流れゆく。そしてリンクが張られた「満月tv」というUSTREAMの中継を見ると、今まさに工事をしようとしている作業員と、それをやめさせようとしている撮影者の会話が聞こえてくる。「退去してもらえませんかねー」と弱気なのか強気なのかわからない口調で繰り返す作業員と、それに対してさまざまな質問を投げかける撮影者。その周りにどのような風景が広がっていて、またどのような別のやり取りが行われているのかまではわからないものの、緊張した瞬間がつづいていることがわかった。そしてそのやり取りに反応する「#kaminoseki」というタグがつけられたツイートがあとからあとから流れてくる。撮影者の言葉からその工事のための作業は夜中の2時半から始まったのだということもわかった。7時まで見てその後出勤。


原発関係のニュースは全然テレビとかでは報道されない、ということも誰もが(というと大袈裟だけど、でもたぶん普通に多くの人が)知っていて、そのことに憤りつつも、もう半ば呆れているかんじなのだった。テレヴィジョンが家にないので詳しくはわからないけれども、その工事の作業が行われようとしている、まさにその瞬間、USTREAMで少なくとも600人とかが見ているそのとき、テレヴィジョンでは「パンダが来るとか来ないとかいったニュース」を放送していたらしい、というのは笑えるような笑えないような、しかしやっぱり呆れるような状況だ。いつ起こってもおかしくなかったことが、しかしいつだってとても唐突に起こるのだろう。そういうときに「今起こっていること」を知ることができるというのは本当に大事なことだとわかりました、という子どもの作文のような感想を持つ。そういえばそれは『ミツバチの羽音と地球の回転』が東京で上映された数日後のことだった。そして明後日の『幸せの経済学』の上映には鎌仲ひとみさんがトークのゲストで来るのだから、いわゆる「環境の問題」と呼ばれるような事柄と、いわゆる「経済の問題」と言われるようなものが、当然のように繋がっているということを、もっと知りたい。そして繋がっているからこそややこしいこともありつつも、繋がっているからこそ、そこに何かの変化のきっかけがあるということも、そのことこそを知りたい。