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  映像研究

木枯らしに吹かれて、言葉が降り積もる本日、火・水・木

 
・しっとりとした秋の雨が降ったり止んだりの26日(火)。本日はひょんなことから窯を使ってピザを焼く講習へ(またもT夫妻とともに)出かける。これもまた一ヶ月後のフェスティヴァルのための、まさに「仕込み」というか「ネタ」というか、お楽しみ会の「お楽しみ」の部分なのだった。高尾駅北口からバスに揺られること30分ほど。先日思い立ってふとお散歩してみた陣馬街道を進み、奥まった「川井野」が目的地。この周辺には陶芸とか木工だとかの作家さんのアトリエやギャラリーなどもあり、その講習もその一環らしかったのだ。そうして窯の熱しかたから、生地のつくりかた、伸ばしかた、そして焼きかたを教えてもらう。あのピザをつくるというと誰もがイメージするような、なんて言うんでしょうあの、人差し指で生地をぐるぐるするジャグリング的なアクション、ちなみにあのジャグリング的なアクションはしなかった。誰も。「あれ、やらないんですね?」と確認するのが場違いなくらい、当然やらなかった。あれは一体どういうものなのだろうかとひとつだけ謎が残った。ともかくそれで無事にピザ作りの第一歩終了&修了。窯を使って何かを焼くことの意味がようやくわかった記念すべき日になる。そりゃ「にしんのパイ」は無下にしてはいけない。窯は神聖なものなのだ、と完全にわかった風のことをつぶやきながら、周辺のアトリエでも開催されていた「秋の工房展」を観てまわる。陶芸良いな。そして夕方に帰って昼寝を挟んで夜はSMD氏を呼んで4人でフェスティヴァルのミーティング。あれやこれやで深夜2時まで。お疲れさまでした。



・秋雨前線の貴重な貴重な中休みになった27日(水)。本日は某カレー店の店主、従業員プラス山部高尾班で秋の遠足(男塾)へ。前日と全く同じ時間の同じラインのバスに乗って陣馬高原下へ向かい、陣馬山へ登る。そうして頂上にてランチ、通常の山登りでは考えられないほどにハード・コアに豪華なランチを食す。カレーはまだわかるとしても「ブリ大根」ってどういうことだろう。素晴らしい。食後には毎度のことながら白い馬の前で集合写真を撮影。それにしてもよい天気だった。湿度はさほどなく青い空は青かった。雲も「うろこ」とも「すじ」とも言えないような微妙なニュアンスで広がっていて、まさに秋。クリアネス。東京のバビロンな様子までがずっと遠くに見えたりして、それを指差したりしながら藤野方面に下山する。この時点で16時くらい。その後高尾駅前の「喫茶店らしい喫茶店」で小休憩したのち、有志3人で人を馬鹿にしたような名称の(これは枕詞的なもので/別に全然嫌いではない)『ふろっぴぃ』という温泉施設へ。入浴後ビールで乾杯。ここから徐々に二次会らしい様相。さらに駅前に戻ってきて「K」がつく箱状のエンターテインメント空間へ1.5h入る。カバー&解釈。パーソナルなポエトリー・リーディングとしての「K」。さらにだめ押しで居酒屋へ行き打ち上げの、打ち上げの、打ち上げ。そもそもが何の集いだったのかもわからなくなるほどに素敵な遠足のエンディングを迎えて23時くらいに帰宅。



・暴力的な寒さが突如この列島にやってきた28日(木)。本日は寒い。あまりの寒さに急遽2台のストーブを召還。そうして部屋を暖めつつ、布団を出たり入ったり、ページをめくったりブラウズしたりしながら昼まで過ごす。夕方までフェスティヴァルのウェブ・ページのテキストと戯れながら、写真を整理したりなどのまったりとした時間。「腹がへったら芋を食べるがいいさ(黄色い本/たぶん)」というようなかんじで、芋を食べたりコーヒーを入れたり、コーヒー入れたわりに飲まなくてルイボスティーを入れ直したりしながら時間は過ぎる。タマフル光GENJI特集のポッドキャストを聴きいろいろなことを思いだす。小学生の時分「かーくんのTシャツ」を着てローラー・スケートを履いていたこととか。あの頃の自分は相当に「J」に対して本気だったのかもしれないとか。そういった不毛な回想の合間に、佐々木中切りとれ、あの祈る手を---〈本〉と〈革命〉をめぐる五つの夜話』の二度目の読了。ポストイットを貼りつつ、メモを取りながら読む。「本を読むことについての本」の、その「本の読み方」として書いてある通り、この本自体も何度か読み返すべき本かもしれない。そして、このところ自分が手に取って/読んでみる本が、何かこう少し前までとは違った繋がりかたをしているように思える今日この頃。ジャンルもメッセージもそれぞれではあるものの、どこかに共通する要素があるような気がしないでもない。例えば一般的には結びつかないニュアンスだけれども、その共通する部分において「カジュアルさ」と「切実さ」は裏表なかんじがする。非常に感覚的ではあるのですけれども。そんなようなことを考えながらも、とりあえずは衣替え。