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  映像研究

11月の奥多摩トレック・2DAYS(大岳山編)

 
・素晴らしい11月の休日を過ごすべく奥多摩トレック・2DAYSの2日目は、人数増員の合ハイ(合同ハイキング)風トレッキングなのでした。備忘録というより絵日記的である記録。奥多摩氷川キャンプ場にて「エア・ライズ&トレックライズ a.k.a もうひとつの家」で目を覚ましたならば、昨晩の焚き火の後を見つめつつ、お湯を沸かしてスープなどの朝食を食べる。とそこで地元タウンから車で参戦のHくんが到着して、またもバック・パッキングをズルするために車に荷物をアレさせてもらう。その後バタバタと御嶽駅に移動し、そこでチーム大菩薩のO・L・D(オフィス・レディ・デュオ)あるいはO・D・L(アウト・ドア・レディース)達とも合流&大集合。持ち物の確認をしたところ昼食をいまいち持ってきていない様子に先が思いやられる系のスタートも、そこは「なにごとも協力し分け合う」のが山でのライフ・スタイルなのであって、それこそが山の醍醐味なのだと思う。



・そして御嶽駅からバス&ケーブルカーで御嶽山へ。御嶽山の山頂は「町」だ。あるいは「島」だ。その迷宮的な道をかいくぐったならばようやく登山道にはじき出されて一路、大岳山方面へ。単調な/複雑な、シンプルな/ダイナミックな山道を、ときに喋り合いながら/ときに黙りながら歩く。立ち止まったならば、本日の行動食はドライフルーツ、アーモンド・チョコレート(「甘すぎなくてうますぎる」やつがうますぎる)、あるいは隠し球の「ほしいも」が最高。ビバ保存食。


・そして展望台に出れば「今日のヤッホー」のコーナー。すぐ隣でお母さんにせかされるようにして恥ずかしそうに「ヤッホー」してみたお子様2名のこだまをかき消さんばかりの、猛烈な勢いの大人7人の「ヤッホー」は、目の前に見える尾根のレイヤーをかきわけて進み、ほとんどそのままの形を残しながら富士山の麓の方に吸い込まれていった。「コエカタマリン」について少し思い出す。


・そのようにして予定の時刻をやや(かなり大幅に)オーバーしつつ登頂した大岳山の山頂にてランチ。ジェット・ボイル/イワタニ・プリムス161/EPIのゴトク付きストーヴ/アルコール・バーナー/カセットガスのシングルバーナーの5台が同時に稼働してラーメンやらスープやらアルファ米やらを次々に調理する様子は、まるでちょっとした「マウンテン・パーティ」だったけれども、考えてみれば実はこの日は「山部活動一周年」のアニバーサリー・登山なのだった。この一年でずいぶんと遠いところに来たのだと思う。







・そして下りはゆっくりとした足取りで、まったりとした雑談をしながら、全然ゆったりとはしていない「急な坂」を登ったり下りたりを繰り返す。xactiは足取りと風景と音や声とを記録し続けている。途中「もしも1TBのハード・ディスクならばこの映像は800時間収録できる」という話題になり「800時間」と言えば「はぁ、そんなもんか」と思うけれども、実際のところそれは「1か月以上」だ。山を歩く時間を日常生活の時間で測ることはなかなか難しく、そしてある種野暮なことであるとは思うのだけれども、あるいはまたそのような「800時間」の記録はハード・ディスクが、あるいはコンピュータのデータが残される限り見ることが出来るのだから、そこで想像するのはかなりの未来的な時間だ。


・いつか数十年先の人が「うわっ!SDカード超レア(そんな平成言葉は喋らないだろうけれども)」とか言ってがんばってそれを見られる環境を整えたならば(ちょうど今の僕らが8ミリの映写機を古道具屋で買ってくるようなものだ)、「うわっ!画像荒い」「うわっ!変な服着てる」「うわっ!女子のメイクがヤバい(失礼)」くらいならまだ良いけれども「うわっ!足で歩いてる(歩かない進化)」「うわっ!髪の毛ある人間(かなり様子が変わったようです)」「うわっ!性別がある(なくなったようです)」「うわっ!オ、オリジナル?(クローン前提)」など、そのイマジネーション/イメージ・モーフィングはどんどん暴走する。「ホーム・ムービー」はそれが「ホーム」であるからこその「記録の力」があるのだけれども、いつかそれが「ホーム」とも「ムービー」とも関係のない何ものになったときには、一体どのような時代がやってくるのだろうと思うと、当たり前だけれど、もうわけが全然わからない。





・このように山にいると、想像力は、かなり長い時間を飛び越えた未来や、かなり長い時間を飛び越えた過去や、あるいは広い空間や、そのような視点を獲得する。