&

  映像研究

オリエンテーション

・水曜日、木曜日と、異なる現場でともにオリエンテーション。オリエンと略す。オリエンテーションとは何か。ガイダンスとどう違うのか。深く考えないままにこれまでオリエンテーションをしてきた。

 

・水曜日のオリエンテーションは自分が迎え入れる者でありつつ、その自分も新人だから少し混乱があった。一方で木曜日のオリエンテーションは、毎年繰り返している現場だから、自分は純粋に迎え入れる者として振る舞うことができる。「分からないことがあれば何でも聞いてください」と、完全に、本当に、声にできる。その安心。自分に分からないことがあるとすれば、それはこの場所では誰にも分からないことなのだと言う気持ちさえある。慢心には注意。けれどもその安心から生まれる立ち方と声が場自体を支えている感じがある。この感じを知ることの大切さがひとつ。

 

・そして、場所が移れば、このような自分の立ち方も声も揺らぐと知ることの大切さもある。揺らぎ、惑い、自己を紹介することすら難しい。さらさらと紹介できるような自己であったことなど一度もない。本当は「色々あって今ここにいます」とだけ言って終わりたいと思う。この揺らぎを認めて、なおかつ遠くを見るイメージを持ちたい。

 

・何年か前から、それがどのような人であれ、自分が他者を迎え入れる際に、自分の目の前に現れてくれて、ありがとうという気持ちが確かにある。この気持ちは何か。オリエンテーションが終わるたびに少し考える。そして忘れる。