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  映像研究

ここは

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・ここは自宅のリビングです。ここは日曜日の夜8時です。「Travelling Without Moving」で流れた『ナイトクルージング』のカバーを聴きながら、そういえばここは2023年かと思う。その曲をはじめて聴いた1996年も、その曲を聴くと思い出す2000年前後も、記憶のイメージの消失点に近いところに存在する。ゆっくりとその一点に向かい動き続けている。生きる限り新しいことしか起こらないが、そうであるにせよ、身体も知覚も爆発的に育ち続ける人たちと関わりつつ生活していると、そのような時間の感覚から離れて、つまり「新しい」ということを忘れるようにして、長い時間や遠い記憶について意見を交換したくなる。意見を交換などではなく、ただ言葉を漏らしたくなる。たとえばひょんなことから職場ではじめての一人暮らしのエピソードを話したが、それは2005年の11月の契約だった。秋、の荻窪駅、の感じ。グルッペ。ささま書店ひなぎく。PX。それらもすべては少し過去。ゆっくりと消失点に吸い込まれていく。ことを見ることしかできない。この場所から。全然違う身体で。