&

  映像研究

空気と光

・202206172115。帰宅する京王線で書いている今。昨日に続いて乗り換えの笹塚駅のホームで空気の感じに気がつく。定点観測のように。言葉にし難いしかしあえて言えば「温み」。気温の高低だけでなく湿度も含めた感触と温度の総合的な感覚に気づく。これほど季節のことを考えていながらも「梅雨」に関しては、一枚岩と思っていたのかもしれない。光景の一番手前のレイヤーに雨と立ち込める水蒸気が覆っているから、その奥底で何が変化しているのかを知ることがなかった。しかし単純に「少しずつ暖かくなっている」というのとも違うように思う。空気が少しずつ膨らんでいる。あるいは、梅雨が明けそうになったならば、重力が少しだけ弱まるように感じられる。日射し=光はエネルギーだから、それがぶち当たり続けることで通常にはあり得ない思考を生むこともあるかもしれない。夏の狂気と若者の無軌道のマリアージュは文学も映画も得意だった。青年と夏、中年と夏、もそれぞれに良い。あるいは老人と海。半ズボンの意味が変わってくるのも良い。

 

神奈川県立近代美術館葉山館で、アレック・ソスの展示が6月後半から始まる。さして詳しくないが、夏に海沿いの美術館で写真を見ることが自分の考え得る限り最上の時間であるために、少し前からそこに行くことを想像(夢想)している。車で行くのもかなり良いが、ここは確実に公共交通機関を利用したい。お昼に葉山着。ランチを食べた後葉山館へ。アレック・ソスを堪能してビーチでひと遊び。少しビールを飲んだならば大船あたりへ移動するのはどうか。数軒(気をつけながら)飲食して手近なビジネスホテルにステイ。翌日は余力があれば鎌倉を散策あるいは横浜あたりに戻っても良い。

 

・そんな一泊二日の旅行を、予定が合った友人とするのはどうかと提案してみようか。この空気の温みの先の時間にあり得る出来事として。あり得る出来事に差す光を想像している。

 

www.moma.pref.kanagawa.jp