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  映像研究

権利

 
・沈黙の権利があるように語る権利がある。権利は行使することもあれば行使しないこともある。義務という語を解体して、快楽や欲望に変換できる部分はそうする。義務はなくとも約束はある。約束はするし可能な限り果たそうとするが破ることも破られることもある。いずれにせよ義務はいつでも疑わしい。義務を自称する者は何を背負っているのか。何を背負ったつもりになっているのか。コミュニケーションの言葉の断片に晒され続けていると、すべてがポジショントークじゃないかと思われる。義務はない欲望があるだけで、そこに鏡のように介入して「あなたの欲望はいかがですか?」と問うことは、無遠慮かつ不愉快(に思わせる)行為であるとは思うものの、何かを正そうとしている。何かを正したい。問い、そして正したい。たとえば思いつきに任せつつ「誰もが広告のような言葉を話すようになった」と言ってみるが、しかしその外部を想定することに意味はないのか。純粋を盲信するのではなく複雑を前提とするでもなく、何を問うことができるのか。正すことが可能なのか。正す?何を?