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  映像研究

秋がきた日の風景の記録

 









・秋が来た日というものがある。2011年の9月19日に秋が来た。昼間は雲間から強い日差し。夕方から雲が多くなってきて強い風が吹く。風の中には寒さの芯のようなものを感じる。そのような日の記録。そのような日に見た風景の記録。前日に実家に帰った流れで両親に「今日の予定は?」と訊ねたならば、「明治公園の『さようなら原発 五万人集会』へ行く」と言い、偶然同じだったので一緒に行く。「親とデモ」は新しい。千駄ヶ谷の駅に着いたならば既に凄い人。そして素人の乱主催のデモの時にはかなり違ったジェネレーション。ジェネレーションの分布。ほとんど知り合いに会わないけれども、一方親は色々な久しぶりに会う人と話していた。ジェネレーション。ジェネレーションは現実の出来事の中でまったく普通に交差する。



・集会を聞いたのち、一時離脱して両親と分かれて原宿方面へ。千駄ヶ谷からのデモの隊列が原宿駅を通って、代々木公園に向かっていくのだから、歩道橋の上からその様子を眺めていた。手を振ったり叩いたりしていた。日本全国の都道府県の名称が記されたのぼり。「NO」とか「NUKES」とかよりかは「労」とか「組」とか「教」とか「党」とかののぼり。それでも思いのほか(?)色々な年齢の色々な人が楽しそうにも見える様子で歩いていたのが良かった。デモの隊列の横を、もう既に歩き終えてこれから帰るのであろう人たちを乗せたバスが横切る。路上を歩く人、バスに乗っている人、歩道橋から手を振る自分たち、その間に強い風が通り抜けていった。東京は秋。週が明ければ台風がやってきて、その台風が通り過ぎたならば本当の秋。半年間、休まずに、放射性物質は出つづけているのであろうことを思う。



・その後、Sさんら高円寺系?女子チームと合流して明治通りを渋谷方面へ歩く。途中宮下公園で休憩。ガードをくぐって代々木公園へ行き色々な人が集まっている横でJ先輩とも一瞬合流して少し話す。京王線を乗り継いで帰宅。帰ってインターネットでニュースなど見る。ヘリコプターから撮影された映像を見る。