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  映像研究

週末・観光/山に登る日・買い物をする日

 
・山に登る日は昨日。12日の土曜日は久しぶりの山部・部活動だ。早朝に集合して、O・DA・急ラインを下り渋沢駅に降り立ったならば向かうは丹沢方面。8時過ぎには歩き始める風景、鍋割山から塔ノ岳へ進む道のりは一向に晴れる気配もなく霧の中。10m先が見えないと思ったその直後、突然晴れて凄く遠くの山までが見える、そのような体験もまた不思議に面白い。塔ノ岳の頂上では吹きつける風に凍えながら、マルタイラーメンとお手製お弁当による「豪遊・山ごはん」の記録。あるいはまた「雲」と「霧」は同じものなのか、違うものなのか、違うのならば何が違うのか、と話し合いながら歩くけれども、下山した後に調べてみたならば、それはまったく同じ現象を人間との関係によって別の名前で呼んでいるのだそうです。








・買い物をする日は今日。13日は引き続き山部メンバー、仲良すぎて気持ち悪いねと自他ともに認める妙齢の私たち、プラス名誉部員(含む幼児)ご一行様で向かうは埼玉県の新名所「三井アウトレットパーク・入間」へ。一応「山に登る用具をアドバイスし合いながら購入する」というコンセプトだったものの、日頃の「ていねいなくらし」の反動で皆さんはアパレル的なものに対してショッピング・クレイジーな状態になる。そんな中自分は正気を保ち「これと同じようなものを以前買ったけど結局必要がなかった」「本当に生活に必要なものとは何か」など(目を閉じて/胸に手を当てて)考えるけれども、このような空間ではそのような思考は不毛及び野暮だ。ちなみにセレクトショップのオリジナル系にはそれほど心惹かれない年頃だけれども、そんな中にあって「アダム・エ・ロペ」に仕込まれていた「united bamboo」のラインナップとアウトレット価格っぷりがヤバすぎて、履けないレディースのパンツを試着したりしてやっぱりはしゃぎすぎだ。しかしこれから行かれる方はぜひともチェックされたし。そんなこんなで結局何も買わずに帰路。







・そしてまたこれら二種の「観光」を過ごす週末の間に自分たちの生活はあるのだとふと思う。買い物と山登りの間に僕たち・私たちの労働と休息もあるのだと思う。アウトなレットは至極正しく買い物のための都市であるけれども、もしもそこで欲しい物が特にないと言うのならば、そんな人は「ファッションセンターしまむら」か「ユニーク・クロージング」あるいはどこかのヒルズに行くべきだ。そしてしかし本当に欲しいものは「Yahoo!オークション」か「amazon」で買うだろうと思うのも自分だ。ぼんやりとしたテンションでこのようなことを考えた(少しポエティック風味)のは、久々の郊外の光景に鼻歌でつぶやいた「キリンジ」の初期のナンバー「デパートメーン(ト)」の曲がぴったりくると思ったからだ。


・そして車でしか来られない観光地に車で来ていない私たちは真っ暗な国道を駅に向かって歩きながら、「山に登る用具や子供服なんかは買い物に頼らず例えば『物々交換』で流通させるのが良いのではないか」といったような話題について話す。茶畑を横目にその具体的な方法について、ウルトラ・桶屋理論で想像してみたりもする。品川、足立、練馬、大宮……色々なナンバーの車がその横を通り過ぎる。雑談をする。週末が終わる。