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  映像研究

熊本初上陸の旅・1日目

 
・熊本初上陸の旅・1日目の備忘録。朝7時40分の便で熊本へ。去年の9月に高尾から熊本に引っ越して行った山部YくんとWちゃんに会いに行く。この期間幸いにも労働を免れた山部メンバー4人で向かう。子どもの頃ならば転校してしまった友達にはもうこの先ずっと会えないのかもしれないと思ったけれども、大人になった今ならば労働の対価として得たお金を使って自由に移動することができる。クレジットカードを使って飛行機のチケットを予約することができる。片道7800円の格安航空券のおかげで会いたい人に会うことができる。前日までに仕事を片付ける。夜中に荷造りする。携帯電話のアラームをセットする。起床する。空港に向かう。1時間20分くらい飛行機に乗る。熊本着。



・そして阿蘇山に登る。熊本空港で夫妻が待っていて車2台で阿蘇山の麓まで移動。山部である私たちは阿蘇山に登る。わいわい言いながら登る。写真を撮影しながら登る。「いきなり団子」という美味しいおやつを食べたりしながら登る。阿蘇山は今まで登ったことのあるどの山とも違うような山。裾野には枯れた草があるけれども登っているのはずっと岩場。岩は色々な質感の岩。乾いた岩はつるつるしているあるいは土が固まったようなざらざらとしているような質感。その岩に触れながら登る。久しぶりの登山ならば足下に気をつけながら登る。そうした辿り着いた頂上である「高岳」から360°ぐるっと風景を見る。外輪山が広がる風景を見る。遠くに来たと思う。東京から数時間での移動。横に縦に移動。乗り物を使った移動と足で歩く移動の距離と時間を少し思う。



・火口から噴煙が立ち上る風景を見る。硫黄の匂いがする。風が吹くと煙は大きく揺れ動く。風が吹くと少し寒い。



・ゆっくりと歩いて5時間ほどのトレッキングの後は街道沿いのレストランでこの旅唯一の外食としての「だご汁と高菜飯の定食」を食べてからいざ温泉へ。「地獄温泉」という立派な温泉に立ち寄る。4つほどある湯船を移動しながら湯を堪能。さっきまで見ていた火山の風景と身体を温める湯の関係をぼやっと思うと、阿蘇山から外輪山への地形の断面図のようなイメージが立ち上がった。湯上がりには牛乳。「ASO MILK」を一気飲み。



・そして阿蘇山方面から車で2時間ほど移動してT邸へ。真っ暗な道を走り続けて辿り着いた立派な一軒の家の前に車が停まったならばそこが新居だった。旅館のような建物で完全に修学旅行のようなテンションになってしまってその辺りから記憶が怪しくなった。ビールで乾杯する。各種お土産を渡したりする。読み終わったおすすめ本や3枚組のライブ盤を渡したりした。コンピュータのネットワークを使って日々言葉を交わし合ったりはしていたものの、実際に会うのは10月末以来だったのだから、この約半年の間にそれぞれの身の回りに起こった出来事や、その出来事から考えた色々な思いを話してみたりした。少しだけ真面目。大抵は爆笑。恐らくは26時くらいまで色々に話してみたりした。眠たくなったら寝る。普段生活している場所から離れた静かな場所で寝る。