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  映像研究

大きなひとつの

・業務の前にイメージフォーラムでカサヴェテス『アメリカの影』。おそらく10年ほど前にDVDの鑑賞に断念して以来はじめてちゃんと見た。

 

・1959年の映画を2023年に見る。1959年の映画というと、ジャン・ルーシュ人間ピラミッド』を思い出し、ふたつの映画に通底する主題があることに気がつく。人種、ということをどう考えるべきか。「人種という問題」と言葉にすればもう失われるものがある。異なる人種とされる人たちが、ひとつの画面に映る。それは、ある時ある場所に、その人たちが「(ともに)いた」ということの結果だけれども、その事実、そのイメージから、何かを考えることもできるだろうか。

 

・「良きこと」、「善きこと」だけが起こるわけではない。物語ならば何らかの救いを求める心情も自分にはあるが、現実にはどうか。「現実」とは?何をもって、何のための「救い」なのか。などと考えながら渋谷から新宿方面に移動して業務。

 

・映画を見ることも、本を読むことも、生活の中で考えることも、全然違う「問題」や「領域」に属しているとされる事柄を扱っているように思えるときも、自分にとっては、大きなひとつのことを考える、その部分についての調査であり、大きなひとつのことを考えるアプローチでありえると思う。京王線の車窓から夏らしい風景を見ているときに、そのようなことを考えた。

 

 

 

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