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  映像研究

夏日の記録

・太陽が近づき昼も長くなる記録。

 

・午前は家で養生。しかしノートPCを開いて指先に微妙な力を入れながらパッドを擦り画面をスクロールしていては養生にならないことにようやく気づいた。目と腕の使いかたを変える必要がある。勇気と根気を持って少しずつ変えたい。

 

・午後から業務を4時間。新年度。新しい人たちを招き入れる準備をする。机を並べてプリントを作る。だがそれ以上に歓待は心。言葉を発する態勢になるべく身を整える。

 

・『ひらやすみ』5巻を数日で3回ほど通して読み、その細部まで徹底された姿勢に対して感服する。自分はそれを読み安らぐような感じがあるけれども、きっとこの漫画に救われると感じる人が多くいるだろうことを想像する。それは特に20代半ば前後の人たちではないか。そう思ったのは、自分がちょうど20年前に木皿泉の書いたドラマ『すいか』に励まされ助けられたことを覚えており、どこか通じるものを感じていることによる。

 

・「(ひょんなきっかけからの)他者との共同生活」は連続ドラマの定型だが、それが既存の家族の形態から自由であること。そして場所や世代を貫き人たちが緩やかに繋がること。さらに死者もまたその繋がりに存在していること。そのような枠組みにより、瑣末と思えるこの世界の諸々が眩しくも儚いものとして捉えられる。自分が劇に期待するものの一つがそうした世界の表現だった。

 

・この世界には、このような言葉やイメージを必要とする人間がいる、と思うと、少し安心する。中断して。