&

  映像研究

肉体

・後から書いておく二月後半の水曜日の記録。今週唯一の業務の日。まるまる一日が消える。書いておかなければきっと記憶からもすっかり消えてしまうような一日だった。

 

・10:00に集合し同僚に指示をあおぎ進める。職場の共有スペースを片づけて展示をする仕事。壁を白く塗り、備品を分類し、不要物を移動して、キャプションのデータをつくる。そして設営。10:00から22:00までが焦げ付きながら焼失するように感じられる。こうした瑣末に思える仕事の中にも、何らかの気づきはある。というか、このような瑣末に思える仕事を重ねることでしか、労働について知ることはできない。これは肉体労働だろうか。からだ中が痛い。普段使わない部位を使ったようにも思う。

 

・お昼は同僚と商業施設の蕎麦屋へ。小津映画ならばビールを飲むに違いないと話す。2023年の私たちは蕎麦を食べてお茶を飲み職場に戻る。なぜだろうか。

 

・肉体を動かし労働をする夜に学位授与の連絡のメールが届く。特に問題はないと思ってはいたが、やはり決定すると安心して力が抜ける。力が抜けたから打ち上げる気力は無かった。

 

・大きなザックを背負い、職場からブルーレイプレーヤーとホックニー『絵画の歴史』を持って帰る。新年度に雪崩れこむまでにはまだ約一ヶ月の猶予があり、その時間で新しい生活の、新しい学びの態勢をつくらなければいけない。祝日前とはいえ、帰宅して24:00からの夕食に家族を突き合わせてしまった。25:00に就寝。