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  映像研究

東京の街に雪が

・降る日。予報ほどには降らなかったと言ってよいか。もっとどかっと降ったならば、ピチカート・ワンのジャケットを思い出した筈だった。コロナ以降の数年「不要不急」という言葉が普通に使われるようになった。そのことを問い直す言説も既に旬を過ぎてしまった。「マスクの着用は個人判断に」という見出しを読み、現在は個人の判断ではない、何かの判断に基づいて、半ば強制的に着用している、着用させられている、着用を望むように教育されている、ということか、などとも考えるが、それは確かに難しく、また各々の状況や環境に拠る問題でもある。自由とは何か。

 

・色々と年度内の事柄が片づきつつあるから、作業する部屋の本棚を眺めて、読みたかった本を引き抜いて積み直す。その中の一冊、小林康夫『大学は緑の目をもつ』という本を手にして開けば、PASMOのチャージの領収証が栞の代わりに挟んである。2019年5月。確かにその時期にこの本を読んでいた自分がいた。4年前の春にその本を読んでいた時は、このような現在があると思っていなかった。大学についても考えることがある。

 

・業務へ行く前にICCで「多層世界とリアリティのよりどころ」を鑑賞。考える手掛かりはどこにあるか。オープンスペースの展示のキーワード「ウェルビーイング」という語についても知りたい。午後は業務。春に向けた準備を少しずつ進める。紙を大量に捨てれば何度が変わりつつあることを感じる。同僚かつ後輩に仕事をお願いしつつ新しい年度のことを相談。新しい時間の何割かは相談からはじまる。雪は雨に変わり小雨の中を帰宅。週末は連休。