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  映像研究

この日

・202103242141。帰宅する京王線を乗り換える調布駅のホームで今日の記録を書いておいても良い。きっと今日の一日、ある春の日、の記憶は消えてしまうだろう。取り立てて特別な出来事が起きたり立ち合ったりしたわけではない。しかし、だからこそ書いておく。

 

・朝から昼。家で作業。新年度の主に研究計画について書く。書いてみると必要な事柄がいくつも浮かんでくる。大学に関わる時間を考えるときには、春学期と秋学期で考える。あと学期が四回。それが終わればおそらく確実に自分が「在学している」という身分であることは終わるのだと考えると、長い過去の時間のことをぼやっと考えてしまう。しかし今考えなくてはいけないのは未来のことだった。

 

・昼から夕方。職場に移動。明後日から始まる春の集中講座の準備。同僚が別の仕事を終えて合流してくれて、その別の仕事は自分にとってはとても考えるべき事柄を含んだ仕事だったから少し話を聞く。例えば自分が教室と呼ばれる場所で仕事をしている限りにおいて「アカデミックハラスメント」と呼ばれる状況とは無関係ではあり得ない。あるいは「レクチャリングハラスメント」という言葉は初めて知る。そういう言葉や事例を知り、その背景にある具体的な人について学び考えなければならないと思う。自分の振る舞いについても。

 

・夕方から夜。業務の会議。今年度の最後の会議だったから最後に「次年度よろしくお願いします」と伝える。会議の後来年の契約についての追加の相談。このようにして一つずつ、荷物を下ろすようにして引き継ぎしなければならないのだなと知る。そして退職するわけではないなりに感慨。職場の風景が少し変化して見える。

 

・そして帰宅する今。