&

  映像研究

光のしくみ

・202102191747。家で。デスクで。作業と連絡の合間にメモしておく。2日続けて作業ができる2日目の一日だったがどうにも作業が進まない。書いては消し、読み直して消し、考えて組み替える。論文を書くことの相談をした際に教員の方に言われたことのメモを引っ張り出すと「書くことは捨てること」と書かれてあり、確かにいま進むことが難しいのは、捨てられないことに原因があるのだろうかと、少し立ち止まって考える。自分の以前の書き方として、まずは自分が理解するために、一度すべてをまわりくどいほどに説明し、その後読みながら切り落とし形を整える、ということをしていたが、どうもその方法では、そもそも論が立ち上がらないように思うのだ。と、書きながら、自分の方法を顧みている。

 

・いつかまとめて読んだならばどこかで使うタイミングがあるのではないかと思って、数日前に「色」「光」についての本をいくつか購入してみた。早速今日届いたのは、Newtonライト2.0というシリーズの『光のしくみ』。「光は「波」です」「赤外線やマイクロ波は、分子をゆり動かして物質を加熱する」「私たちの体からは赤外線が出ている」「遠赤外線や紫外線にとっては、ガラスは透明ではないのです」「このように物質が透明か不透明かは、物質と光の振動のしかたの相性によって決まるといえます」「光は波の性質と同時に粒子の性質ももつのです」「光を照射された物体は、光から圧力を受けます」「光と聞くと、太陽の光や照明の光をイメージしがちですが、私たちが目にしているすべてが実は光なのです」と、パラパラしながら気持ちが留まった箇所を抜き書きしてみる。

 

・こうして考えると人間とカメラは似ている。あるいは当然のことながらカメラは人間の視覚を踏襲して設計されているようだと感じる。人間にもカメラにも受け取ることのない光はある。しかし同時にカメラの視覚には記憶はない。カメラは世界に溢れる光を(人間と同じように)縮減する。針穴のような空間的な隙間や1000分の1秒といった時間的な隙間を設計しなければ、すぐに感光部は光によって満たされてしまう。その時間的・空間的な隙間を通過したごくわずかな光を素材として、人間にはできない方法で二次元の映像として固定する。こう考えたとき感光部であるところのフィルムの存在は確かに重要だが、フィルムかそうでないかを問題とするよりも、カメラが、人間が、光を縮減すること自体に着目してみたくなる。

 

・作業に戻る。

 

Newtonライト2.0 光のしくみ (ニュートンムック)

Newtonライト2.0 光のしくみ (ニュートンムック)

  • 発売日: 2020/07/13
  • メディア: ムック