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  映像研究

リネン、シルク、コットン

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・麻、絹、綿が各数十%あるいは数%のラルフローレンの色々な色が含まれたセーターをYahooオークションで購入して着ている。先日家族からいかした(いかれた)柄のセーターをいただいたこともあり、今年度後半は適度に変な服を着ることを目標にしたい。ちょうど去年の今頃に学生から「無印良品のマネキンの様ですね」と言われたことを根に持っている(恨みではなく反省として。そもそも適切な評だと思う。)。その評からは色々なことが考えられる。確かにある時期に目指していたところでもある。シャツをタックインしないぎりぎりのフォーマルに見えなくもない擬態。「当たり障りのない人ですよ」というプレイ(演技)はしかし、無自覚に反復されることで結果的にその当たり障りのなさがすっかり内面化されている。そうした意識はどんどん自分を狭いところに押し込めていくようにも思えた。ノームコアとはそのような統治の巧妙な戦略であったのでもないかというこれは完全に陰謀論。しかし無印良品を頂点とするファストファッション(使い捨て)でもなく、ヤフオクとメルカリ的な転売前提のハイブランド(使い回し)でもなく、ノームコア(オバQ)ともまた違った、自分の身体の経年とともに時間を作り出すような服はいったいどこにあるのだろうか。試すことを続けたい。

 

・インスタグラマーとしての活躍がめざましい母親が離れた地でアイフォーンを入手したことをインスタグラムによって知る。毎日アップロードしている犬の写真のイメージに被写界深度(をシミュレートしたエフェクト)という概念が加わったことで、「日々の記録」から「作品のような何か」に変異したことを興味深く見る。当たり前だが撮影される犬の方はそのことはまったく知らないという点も面白いと思った。大袈裟な犬の写真のイメージ。

 

・趣味としてのオンライン物件パトロールに近くの賃貸物件がヒットしてしまう。「希少な平家物件です」と書かれたその住宅は、自分の住まいの理想に限りなく近い。賃貸とは何か。賃料とは何か。土地と何か。色々と思うところはあるが、もう一度平家のような住宅で、借りているにせよ地面(土)がある生活をすれば、何か考えることや書くこと撮ることに変化があるだろうか。朝起きて植物と土の匂いがあることは自分をどのように変化させるのだろうか。晩ご飯を食べながら家族と相談してひとまず内見することにする。