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  映像研究

シャツを買う(もう一つの想像)

・後から書いておく火曜日の記録。本格的な仕事始めの日だろうからラッシュをずらすように6時半に家を出て7時半から9時まで最寄りのエクセルシオールで作業。9時から17時までの業務の時間は一瞬で消えた。生活の中で服装について考えさせられる状況がある。フォーマルな、しかし宴ではない場面の装いとはいかなるものか。平均して四年に一度程度しかネクタイを締めることなく、ジャケットさえ着こなせないままに年齢を重ねている。そのような者にとって、難易度の高い判断を迫られている。というのは大袈裟で、そのようなことを考えて気を紛らわせている。開催予定の会は対面ではなくオンラインという見込みであるから、なおさら選択の基準がよくわからない。上下スーツにルームシューズ。それもまた現代的か。諸々のバランスを考えて、業務後に新宿へ行き、セレクトショップでオックスフォードのスタンドカラーの白いシャツを購入する。このシャツの上に、約10年前に購入した無印良品コーデュロイのジャケットを羽織ってみよう。ネクタイと向き合う時間を削除した。半年前には、このタイミングでスーツ、シャツ、靴に至る全てを新調する想像をしていたが、これもまたもう一つの想像として、そのような呑気で楽しい時間を過ごす余裕は無かった。19時に帰宅。洗濯。二日目のおかゆ。内側から温まりすぐに意識を失う。