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  映像研究

新宿、秋葉原、白金、また新宿。低音の響きかたなんてわからない。

 
・水曜日。平日の時間があるうちにやっておきたい様々なこと。そのうちのひとつは来たるべき「焚き火ミーチング」に持っていく音響機材、というか端的に「ipodを繋げる小型で電池が使えるアンプ内蔵スピーカー」を購入することです。普段はスピーカーなんて鳴ればいいじゃないかと思っているようなところも無きにしもあらず。自宅ではI君から借り(パク…気味)ているSONY製の昭和レトロな、でも音はなかなか良いと思われるものを使っているのだけれども、自分でまともにスピーカーを選択したことなんてないのだから、実のところ「低音の張り」とか「クリア・ボーカル」とか全くわからない。だからこの数日インターネットを駆使して幾つかのモデルを検索していたのでした。


・真っ先に候補に挙がったのは、こんな時だけ気になってしまうネットの口コミ情報でも大人気の「JBL」の「on tour(オンツアー)」というモデルだったのだけれども、こちらは既に製造中止。運良く某家電リサイクル系ショップで見つけるも、優柔不断で迷っている間に売り切れ。あるいはちょっと可愛らしいかたちの「ONKYO」の「LX-1J(W) 」も既に製造中止。こちらは某家電量販店で実物を見かけるも結構プラスティック系な、限りなく透明でもない何かだったので購入には至らず。更に現行品で気になった「audio-technica」の「AT-SPS5」はメタリックな質感がモノとしては格好良かったのだけれども、量販店の展示品が低音で悲しそうにビリビリ泣いていたので(私見です)他のものにしようと思った。と色々迷って結局購入したのは全く予備知識なくデザインと「6W」という情報のみで選んだ「PHILIPS」の「SBA290」というもので、ちょっと繋いで鳴らしてみたかんじなかなか良いのではないでしょうか。それにしても数千円の買い物だって、こういう贅沢品(?)を購入する時は緊張します。



・それにしても「リアル・スピーカー検索」を当初の目的として、昼から出かけて結果的に東京中を散策してしまった一日。まず手始めに新宿で下車。家電量販店などを散策したのち、特に今回のショッピングと関係のない「オーディオ・ユニオン」のハイエンドルームをうろちょろして恥ずかしい思いをする。しかしその隣のクラシックコーナーでは偶然にも『音楽の庭―武満徹対談集 (1981年)』という良書を購入できたので無駄なことは何もない。余談ですがその良書の「対談」の相手は黒沢明高橋悠治谷川俊太郎松本俊夫寺山修司安部公房小澤征爾などなど。豪華だ。


・そんな良書を読みつつJRで秋葉原へ移動。勘違いも含めて家電といえば「秋葉原」だと思ってしまったのです。しかし何かを探して秋葉原を歩くのはもしかしたら5年ぶりくらいかもしれない。街の変貌にただ沈黙。天使だか悪魔だかメイドだか生徒会だかわからない外国人みたいな人がいた。あれは誰なんだろうか。結局秋葉原では何も収穫がなかった。強いて言うならば普段見ることのない家電量販店の「コンパクト・デジタルカメラ」を妙にしっかりと見たことくらいだろうか。一瞬だけテンションが上がったのはNIKON製の「プロジェクターが内蔵されているカメラ」で、逆にげんなりしてしまったのはRICOH製の「ミニチュアみたいな写真が撮れるカメラ」。そんなに撮りたいかなミニチュア。ださくないかなミニチュア(私見です)。そして時間があれば電子パーツのお店なども参拝したかったけれども断念。


・引き続き良書を読みつつメトロとメトロ的なものを乗り継いで、せっかく都内に出てきたのだからと白金高輪へ移動。某ギャラリーでの知っている人の展示を観に行く。世にも色々なことを考えさせられる展示だったけれども、細かいことになるとアレなので詳しくはアレだけれども、どうにもこうにも興味深かった。せっかくなのでビルの他のフロアのギャラリーも観て、近くにあるZINEなど置いている新しめのギャラリーも覗いて、白金高輪から白金台方面へ徒歩で移動。東京で一番自分と関係のない銀杏並木を歩く。立ち並ぶお店から自分とは全く関係のない種類の何らかのアウラが出ていることを確認しながら歩く。不思議な街だ。そしてしかしそんな不思議な街にも「某大型古書チェーン店」は存在している。


・再び新宿へ。そのようなプロセスを経て辿り着いた「SBA290」。何だか知らないがへとへとだ。京王線で『音楽の庭』を読み続けて帰宅。「音楽の庭」と「アクティブ・スピーカー」は何か関係があるのだろうか。とりあえず明日はまた別の種類のアウトドア・アクティヴィティ。ちなみに関係ないけれども金曜夜に「朝生」を見るために一瞬実家に帰ろうかどうしようか考え中。