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  映像研究

カレーを食べに房総ヴァケーションの巻

 
・行きたいな。どこか遠いところに行きたいな。平日の緩やかに流れる時間の中で可能なかぎりの「遠いところ」それは例えば房総ヴァケーション。そんなわけで思い立ったが吉日。月曜日の夕方に西東京を車で出発して、街道沿いに現れ続ける某大型古書チェーン店などに(その都度)行く手を阻まれつつも、さしあたって向かうのは川崎方面。そこからアクアラインという、高所も閉所も恐怖かつ水が苦手(泳げない)な人にとっては最悪なラインを突っ走って木更津方面へ向かうのです。ちなみに時間が微妙に微妙だったので「どこかの海辺でエアライズ」のプランは破棄かつ延期。その結果「海ほたる」という海上の巨塔にて仮眠。人少なし。



・目が覚めると12日(火)の朝は軽快に房総半島を横断。予定よりも時間が早かったため街道沿いに現れ続ける某大型古書チェーン店などに(その都度)立ち寄りつつ、ランチの時間を待って訪ねたのは九十九里浜の南に位置する(という説明でよいのでしょうか?)長生村というところにありますは「こだまや」というカレー屋さん。ここらへんかなと思いつつ車を走らせていると突如駐車場から溢れる車…なすごい盛況だった。けれどもスムーズに入れたお店は普通の家を改装していて面白い。カレーを注文しつつ、本棚に並んだ本にちょっかいを出しつつ、幼児にちょっかいを出されつつ、和みつつ待つ。その後豪華なランチメニューに舌鼓。チキンカレー本当に美味し。


・そしてもともとこのお店を知ったのは職場の近くのオルタナティブ書店で見つけた、創刊号では毛利嘉孝という人と萱野稔人という人が対談しているような、ちょっと興味深い雑誌だったので(「その雑誌を作ってる人はカレー屋をやってるらしい/なるほど/気になる…」みたいな流れだった)お会計のときにやんわりとその旨伝えてみたら「それはわざわざありがとうございます!」みたいなかんじで言ってくれた。それは不思議な流れだけれどもなかなか面白かったのでした。また来たいと思います。



・その後房総半島を突き抜けたならば、突然建物も何もなくなって太平洋は一松海岸。いつでも突然に登場するな太平洋は。平日の昼下がりの太平洋は穏やかなり。コットで日光浴の中年男性。貝を拾う年齢不詳金髪女性。拾われる貝。靴を脱ぎ波に洗われる足の裏の感触を楽しみ続ける初老男性。その靴。はしゃぎっぱなしの中年女性二人連れ。それに時折海岸を覗きに来る人(自分含む)。そして空にはいくつかのカイト。以上。しばらく歩いてスナップ・ショット。再び車に乗る。南、北、とその先を地図で確認して、しかし今日は西へ向かうことにする。房総半島を横断して東京へ帰る。街道沿いに現れ続ける某大型古書チェーン店もそこそこに夜には実家に帰宅。