&

  映像研究

10月のバック・パッキング in 八ヶ岳(2日目)

 
・2000mで迎える朝。6時に起床。気づけばテントにて10時間以上の睡眠。そして寒い。しかし寒い。おかしいなぁ、寝袋も0℃まで対応しているはずだしウェアも可能な限り着込んだんだけどなぁ、と思いながら、目をこすりながら、エア・ライズ a.k.a もうひとつの家、のフライシートに貼りついた霜をガリガリと払いながら、とりあえずココアを飲むためにお湯を沸かす(あとで下山した駐車場の管理人のおじさんに聞いたところどうやらこの日の最低気温は-5℃程度だったのではないかということだ/10月の八ヶ岳は寒いです。念のため)。地面と、刺のある植物と、その影の様子が面白い2000mの朝。



・そうこう(記念写真等)していると、太陽の光は山の稜線を渡って赤岳の影になっていたこの場所をも照らす。そして今日という日はその「赤岳」に登ろうとしているのだった。『グダグダ@(ぐだぐだーっと)八ヶ岳・バック・パッキング(仮タイトル)』に相応しく、ゆるやかに歩き始める2日目。鉱泉小屋から歩き始めたならばすぐに、またも森林は新しいグラデーションのかたちを見せる。段々と植物の背は低くなって、岩は乾いていく。見上げては「高い!」&見下ろしては「凄い!」&遠くに視点を移せば「ヤバい!」。毎回言っている「日本、山ばっかじゃん」も本当の感想なのです。そして紛れもない森林限界を迎えたならば手は岩を捕らえる。でも右手にはxacti。S・Kさんもあらゆる場面をアーカイヴ。山、最高にフォトジェニックすぎでシャッター鳴り止まず。そして間もなく登頂。












・天候は既に移り変わり始めたのを確認して下山を始める。いつだってこうして山に登りつめた、そのピーク付近の時間の流れはマジカル。一方重力に身を任せる下山。体は山を転がり落ちていくけれども、下山には下山独特のテンションがあって、それを例えば「グルーヴ理論における『三学期』の力学」だと、適当に、ちょっと面白いかなと思って名指してみることにしました。つまりそれは「学生時代の『3学期』には何となく独特の盛り上がりがあるように思えて、日数も1月〜3月と短いし、派手な行事もまるでないのだけれども、春が近いせいか妙にふわふわとしていて、先生も教科書が終わったからという口実で何か全然関係ない昔話を話しはじめたりする。そうこうしているうちにストーブの周りでは、教室の中に(今更)新しい友達なんかが出来たりして「なんで一年間絡まなかったんだろうね〜」とか言いながら、それでも春になれば全然色んなことは忘れられていく」みたいな雰囲気。バック・パッキングをスポーツではなく、レジャー風アクティヴィティとして楽しむ僕らには、下山の時にそのような妙な高揚があるのではないか、とか何とかいった、これはまるで思いつきなのでした。







・下山した備忘録。そして下山したならば何の迷いもなく温泉施設へ向かい、汗を流しつつチル・アウト。その後「登山を目的としないバック・パッキング」を実験するために、適当な場所にてもう一晩テント泊説もあったのだけれども、お湯に浸かっているとより一層「ぐだぐだーっとした」心と体に進化したため、車を走らせて長野県は諏訪湖付近に移動して、急遽ビジネス・ホテルにチェック・イン・ザ・観光地の夜。駅前の居酒屋にて改めて乾杯の後、そのような夜は誰のためでもなく自分のために更けてゆくのでした。