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  映像研究

希望

・後から書いておく木曜日の記録。今週唯一の(貴重な)休日。東京を横断し映画館を梯子する予定を立てていたが、明日の業務のために今日中に荷物を受け取る必要が生じて変更。

 

・朝9時からAmazonプライムで『エルピス -希望あるいは災い-』を見る。約45分×10回=450分を一日で見るのはなかなかにハードだった。昨年後半、テレビドラマをちゃんと見ている友人、同僚、後輩から『silent』と『エルピス』の話題が挙がるたびに「諸々終わったら」と濁していたが、そういえばようやく諸々が終わっていた。終わったから見ることができた。いつでも連続ドラマに遅れている。

 

・毎週の放送を楽しみに見ることとは違った経験であるとは思いつつ、しかしいずれにしても、脚本、演出、芝居のすべてが魅力的だった。はっとするショットがいくつもあった。映像の質感について、これはどういう工夫があるのだろうかと思い、中断したタイミングで演出の大根仁のインタビューを読む。何の揶揄でもなく、自分がそのようなことを問題とする領域から離れていたために「ルック」という言葉を久々に読んだ。映像がどのように受容されるかについて、現在進行形で考えて実践されている人の言葉を読むことはいつでも面白い。自分の友人にはそのような場で仕事をする人たちもいる。教えて貰いたいことが無数にある。

 

realsound.jp

 

・8話までの視聴を中断して月に一度のカイロプラクティックへ。最初の「どうですか?」に「悪くもないと思います」と応えたならば、しばらくの施術のあとに「確かに悪くもない感じです」と返された。三寒四温と花粉の予感に揺さぶられてはいるものの、ようやく数年の緊張が解けた感じは確かにある。動きたい時に動くことができる自然。この自然は普通ではない。もうしばらくはこの自然を享受したい。そして少しずつ生活を変えることを思い描く。

 

・帰宅して『エルピス』を最後まで。結末にはきっとさまざまな見解があり得るのだろう。それも含めてしばらく言葉を失う。あるいは自分にとって連続ドラマは放送されるたびに周囲の人と感想を話すことも含めた視聴体験だったのかもしれない。朝一で仕込んでいた牛バラブロックの赤ワイン煮を食べたならば、言葉を失ったまま就寝。