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  映像研究

第九回(2020年の小さな夏至フェス)

・今日は夏至だった。「夏至」と聞いて即座に思うのは「夏至フェス」のことで、確か2000年代中盤には毎年代々木公園で開催されていた。2005年から2008年まで渋谷に事務所があったから仕事の合間に散歩がてら観に行きそのまま友人と同流して近くの立ち飲みで騒いだり事務所に戻ってきて朝まで遊んだりしたことも良い思い出。「夏至」という言葉にあるニュアンスを感じ取ったあの頃から自然の中に身を置くことやそうした活動と社会の関係について、自分のこととして考え始めたのではなかったか。だから自分にとって「夏至」の響きは特別な意味を持つ。

 

・日曜日の業務を終えて帰宅して雨が降り出したから家族を迎えに車で。その足で妻の実家に寄り少し用事を済ませている間、車を畑に停めてTravelling Without Movingがはじまった。ゲストにUAが出ていて懐かしい『Horizon』を歌い野村訓市の「今夜は夏至です」という声で記憶は2006年くらいの代々木公園へ飛ぶ。あるいはUAが2010年に日比谷で歌った『Horizon』は、直接観に行ったわけではないけれども、何度も映像で観て記憶が捏造されている。UAがデビュー25年と言っていて、高校の授業を適宜早退しつつ友人宅のスペシャでよく観た『情熱』からもそれぐらいの時間が流れていることにぼうっとする。カラオケでカバーするなら自分は『プライベート・サーファー』が好きだった。「いつだって・泳げなくても・飛び込めるように」。

 

・夜は一週空いて、山部オンライン・ミーティングも今夜で第九回。あるいは「九夜」。来週出産を控えた(!)友人と普通に話せることの驚き。小さく祈るような時間だったと思うのはその友人のためかあるいは夏至のせいだろうか。各地の友人たちの色々な状況を聞きながら後半意識を失ったり取り戻したりする。24:00に解散して即就寝。