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  映像研究

儀式

・あとから書いておく日記。そうして終わった。2020年3月の後半に立ち上がったプロジェクト的なものが一旦の終わりを迎える。業務の年度の最終日のことをいつからか「儀式」と呼んでいた。儀式のあとは打ち上げ。この一年大きな事故や問題が起こらずに今日の日を迎えることができたのは殆ど奇跡ではないのか。そう考えたならばこの奇跡に釣り合う祝祭ないし蕩尽(?)が必要とされるように思われる。そうでなくてはこのプロジェクトをもう一度/別の形で再開することは難しいように思われる。そうした儀式とともにあるはずの祝祭のことをこの世界ではかつて「打ち上げ」と呼んでいた。しかしこの世界ではいわゆる「打ち上げ」は推奨されていない。禁止こそされていないが相当の責任を伴うアクションということになってしまった。このような現世において自分は昨年のいつからか打ち上げのことを「気をつけながらの飲食」という別称で示すことにした。それ以上でもそれ以下でもない。気をつけながら飲食をする。そうしてこの夜も極めてささやかに1時間程度の気をつけながら飲食。チームの3人に感謝と敬意。特に春から一緒にプロジェクトを作り上げてきた同僚には最大の感謝を。本当ならば飛沫が飛び散る渦の中で美味しいものを無限に飲食しながら夜中まであるいは朝まで叫ぶように歌うように踊るように讃えあいたかった。そうあるべきだった。そのようにして少し神妙な気持ちでいたならばさっくりと帰宅の京王線を乗り過ごす(準特急の罠)。駅前で家族と同流して惣菜など購入し帰宅。二次会のつもりでしばし緩む。記憶を失う。一瞬で時間が過ぎた。今は2021年の2月5日。