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  映像研究

振り返る、消える

 
・201812310751。あっという間に2018年の最後の一日になってしまった。気を抜くと時間が過ぎる。黙っていると時間が消える。時間を止めるために言葉の力を借りる。時間を留めるための方法のひとつ。書くこと。あるいは遡って思い出して反芻すること。一年の最後の一日は振り返ることに関わっている。


・2017年に動き始めた書くことについての作業を同じ速度で進めた一年だった。同時にその速度を早めるためにはどうしたら良いか考えることを始めた一年だった。本を買う勢いは加速したが、しかし読む速度は加速しなかった一年だった。他人の話を聞くことをもっとしようとした一年だったがそれはいつでも「よくできた」ことにはならないことを理解する一年だった。図書館に通った一年だった。年末にmacbookを買った一年だった。ずっと欲しかったカメラを購入した一年だった。


・生きている間に生きている人に会いに行くことを考えた一年だった。本を読むだけでなく著者が生きて話をしている現場に足を運ぼうと意識した一年だった。映像でもなく。タイムラインのテキストでもなく。だから「現場」ということをいつも考えていて、それは図書館に通うこととは両立することが難しいが、2019年の目標の一つは現場に行くことである。自分が関わっている教室もそれは現場だけれども、現場を創造し続けるためには、自分が多くの他の現場を知っていることが必要であることも理解している。諸先輩たちに学ばなければいけない、と二重の意味で思う。現場系先輩。


・一方で現場を作ることに関しては、焦らない。焦りながら、焦らない。


・同時に2019年は古典を読むことを目標に掲げる。必ずそれをやり通さなければいけないと思う。それを三つ目の軸に設定する。ひとつには、研究の中心の軸。ふたつには、実践/制作の準備の軸。そして古典を読むことの軸。欲張りすぎだろうか。さらに「現場」も「業務」もある。「語学」もあった。だけれども、何かこれは予感というか、常識的に考えてというか、社会のムードに巻き込まれてというか、ムードと自分の力量の釣り合い的にというか、確率的に、これほどまでに「勉強すること」を自分の生活の中心に置くことができるのはこの数年、もしかしたら2019年が最後なのではないかと思ったりする。いつでもこれが最後だと思って、後悔しないようにページをめくり、言葉を読むことをしよう。言葉を話すことも。書くことも。


・メモのような日記のようなテキストを残していたこのプラットフォームも2019年には消える。消えることを考え続けることになる、来たる新しい時間のために。