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  映像研究

aru_hi

 
・29日は病院へ行く。一年越しで検査している件。病院は怖い。痛みは怖いし、自分のからだに異物が入ることも怖い。しかしそういうことがあって初めて自分のからだについて感じられることもあるのだった。「ここの、ここが、」と名指すことで自分のからだを対象化することができる。あるいはもっと素朴に「ああ、素材は入れ替わりながらも数十年個体としてやりくりしてきたんだなぁ」という感慨がある。そういうことがあるからだろうか。最近は浮世のことにどんどん興味がなくなってきて(あるいは普段はそういうことを考えざるを得ないからしばしの間離れて)生命とはなんて不思議なものだろうと思わずにはいられない。


・かつてよく山に登っていた頃に山部の友達が注目していたのが「地衣類」だった。その時は「へー」くらいだったけれども、いま山に行くならば見てみたいのは断然地衣類だ。あれはなんなのか。生き物の生きている様子をもっとよく見てみたいと思う。センス・オブ・ワンダーについて。鉱物と植物と虫のことをもっとよく見るような生活をするためには、まず何から手放せば良いのだろうか。なおかつそれを自分の学びとしてだけではなくて、他者に投げるような、また投げ返されるようなサイクルを作るためにはどうしたら良いのだろうか。「仕方ないよ、そういう仕組みなんだから」の外に、どうしたら出られるのか。いまそんなことばかり考えている。


・30日のいまは家の近所のスターバックスコーヒーへ。スターバックスコーヒーへ行くことへの躊躇や罪悪感は捨て去った。背に腹はかえられぬと言ってみて、とにかくコーヒーが飲めてPCが使えればなんでも良いのだ。可能な限りすべてをやっつけて(あるいはほったらかして)論文を書かなくてはいけない。中断。