&

  映像研究

一線

 
・もう先月末のことになるけれどもスタジオ・コーストに水曜日のカンパネラのライブを観に行くという、何かの一線を越えた行動をしてしまった。「たまたま申し込んだチケットが取れてしまった」「今見ておいても良いと思って」というような言い訳を用意しつつ、しかし本当は何か面白いものが見られると思って積極的に行ってみた。諸々の色々でバタバタしながら開演10分前に辿り着き、3階の関係者席の端で柱の影から覗き見た1時間半のライブは、しかし素晴らしかった。


・様々なステージの仕掛けや演出がありつつも、ともかくあのステージを一人で支えるコムアイという人は本当に凄い。完全にアイドルのコンサートのレビューになってきた。歌が良かった。レコーディングを前提としたようなアレンジのポップスをライブで歌うことの面白さ。それがギリギリのバランスで成立させることの妙。物凄いボイトレとかをしているのだろうか。終演して、さすがにTシャツは買えない(着られない)と思いながら巻頭で特集されているQJを購入。帰宅して以前にSEALDsの奥田くんとの対談も読み返す。2016年の夏の、これがJ-POPの中心なのだろうか。


・駅前の京王ストアで流れる愛のないJ-POPのインストアレンジに聴き覚えがあると思ったら、それは水曜日のカンパネラの『ツチノコ』だ。J-WAVEのウィークリー・チャートでは1位だったとのことに驚きつつ、しかしそれはそうなのだろうとも思う。ミュージック・ビデオのトレンド感も絶妙で、横断歩道のカットとか今しかあり得ない。あるいはrosas『violin phase』オマージュ?の森のステージにもグッとくる。一番好きなタイプのJ-POPかもしれないと思う。「ラジカセ持って〜」のくだりが特に良い。