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  映像研究

再び裾野へ

 
ロングトレイルのような夏。ロングトレイルという解釈で歩き通そうと思っていた夏の終わり。8月24日に千秋楽的に一旦の業務終了。山道を下って降りて一度街の方へ戻るような心持ち。折しも天候が崩れて夏の夏らしい日差しはどこかへ行ってしまった。キリンジかせきさいだぁの『午後のパノラマ』を聴くといつでも湿度が下がってぽかんと開いた夏の終わりの空を思い出すことができる。あるいは荒井由実の『晩夏』を聴けば日ごとに早まる夕暮れに気がつく。色々な場所で感じた夏の終わりが圧縮されて今。そういえば2012年までは毎年夏の業務の終了と同時に北アルプスに行っていた。そしていち早くそこで秋に触れて、その感触を東京に持ち帰る。それはとても贅沢なことだったと思う。道理でおしゃれのことしか考えていなかったのだと思う。都市に生活するのならば、季節感とともにスタイルがある。秋になる気温と湿度の感じを忘れないための備忘録。不思議な映像で音楽を聴く。