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  映像研究

新しい一年の、次の一週間。

 
・気がつけばすっかり2010年。ディケイドをまたいだ感慨など全くなく日々色々な些末なことに追われているこの冬の現在進行系。携帯電話からつぶやいてみたり、携帯電話で人のつぶやきを覗いていたりしてるうちにすっかり携帯電話代金が法外なことになってしまって、この場合法外なことにしたのは完全に自分に責任があるものの、これはまずいと思ってとりあえず職場近くのareyouショップに駆け込んで「パケットとかいうものを定額料金的な風合いにしてもらえないだろうか」と相談してみたならば、自分が気に入って使っている古き良き時代の「CDMAなにがし」という機種ではそのようなサーヴィスは受けられないということがわかった。そしてこのようにして人は「iphoneユーザ」という存在に緩やかに近づいて行くのであろうことも想像できる。



・そのような日々の些末な出来事。相対性理論渋谷慶一郎の『アワーミュージック』をエンドレスでリピートしている最近。そしてまた自分にとっては些末とも言いきれない出来事も含まれる、冬のアフター・アフター・スクール・デイズ。半年ばかり前から楽しみにしていたわりに、直前になってすっかり忘れていた、福音館書店こどものとも年少版2月号『しきぶとんさん かけぶとんさん まくらさん』は、あの、高野文子の最新のアート・ワークなのだが、それがどこの書店にも置いていない(売り切れたのか?)という現在進行形の気がかり。毎年恒例とはいえ高尾to新宿の10連勤はなかなか色々なことが考えられなくなていく危険。そして本日はその7日目なのだった。



・先週の土曜日に親戚の不幸があり新幹線で岡山へと向かう。夜向かって葬儀の前に挨拶をしに行って昼にまた東京へ帰る。そんなときですら新幹線に乗ることが好きだ。与えられた数時間と異常な速度で過ぎ去る風景。どれだけ見ていても全く飽きないのはどういうわけなのだろう。と考えながら帰りの道中はせっかく指定席を取ったものの、何となくデッキでずっと風景を見て、あるいはイメージ・モンスターによって動く映像や、一瞬を切り取る写真として記録してさえいたのだった(米原では大変に雪が積もっていたのだった!)。可能なかぎりシャッター・スピードをあげて、ほとんどなにも見えない手前の風景に向けてシャッターを押しまくったならば、そこには自分は全然知覚していなかった、道や、人や、家や、家の窓や、看板や、車や何かが映っているという不思議。そのようにしてしばし不思議を見ていた。