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  映像研究

火が燃えるところ、人が集まる場所、飲んだり食べたり着飾ったりする

 
・日曜日の夜、都内某所。業務を終えて今年初めてのアウトドア・アクティヴィティとしての「焚き火」へ急ぐ。某国鉄と某東京のローカル電車を乗り継いで辿り着いた某河川敷。某野球場とサッカー場的なもの(暗くてわからなかった)を通り過ぎた向こうにかすかに揺らめく先発隊の燃やす焚き火を見つけて合流する。と、このような「某」ばっかりのアブストラクトな記述になるのは一般的な条例的に「焚き火」なるものが非常にグレーなものであるからで、近年は「安全性」「土に良くない影響を与えるから」などの理由から基本的に直火で焚き火をしていることを禁止している、ことを一応了解した自分たちとしては「焚火台」という決して安くはないアウトドア・ギアを購入して、今後可能な至るところで焚き火をしていくことに決めた。



・集まったのは今他のどのようなことよりも、炎を燃やしてそれで何かを焼いて食べたり、あるいはただそれを見つめたりする、そのことに最高のエンターテインメントを感じる男女7人秋物語。あえてビールとカレーを禁じることで生まれるストイック・ディナー。とりあえずビール、ではなく何となくラムをすすり、焼いたじゃがいもを食べ、焼いたカボチャをスプーンですくって食べ、ワインを飲み、ホイルにくるんだシャケとキノコを食べる。遠くに見える工場。休みながら日本酒を飲み、炙ったしいたけを食べ、焼いたサツマイモを食べ、チャイも飲み、焼いた山芋も食べる。ときどきチョコレートも食べる。最後には焼いたリンゴを丸かじりしながらすっかり炭になった木を見る。火を見るというよりは木を見ていた。午後10時すぎ、惜しみつつ火を消して今回のアクティヴィティは終了。なるべく跡を残さないように片づける。



・このようなかたちで焚き火をするのは初めてだったけれども、さすがこのメンバーなだけあって相当に相当なクオリティが出せたというのが今回の感想。「お腹いっぱい」とかに拘らなくても良いのだから、食材だってもう少し減らしてその分ひとつひとつ面白くて美味しいものを選べるだろう。お酒はもう少し色々な種類があっても良いだろうし、これからの季節はホットワインなんていうのも良いかもしれない。ただしあんまり酔っぱらうと片付けが適当になるので良くありません。そしてやっぱり薪は大切。ホームセンターで買うなんて駄目。ちゃんと河原で拾って良かったと思う。衣装については各々の良識に任せますが、個人的には焚き火は「ハレの場」だと思っているのでもう少し、パーティー感?ヤンキー感?エキセントリック感?剛紫感?エンドリケリー感?的なものを追求していこうと考えています。単純に炎に照らされて色々な色が見えるというのは面白いし楽しいのだと思いました。







・photo by TKD aka 部長