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  映像研究

育ってみないことにはなんだかわからないものと突然壊れるもの

 
・前者は例えば今履いているジーンズのこと。実家にあって誰も履いていなかった(というのもなにかおかしな表現だ/誰もが履くというものでもないのだから/それはつまり父親が購入したけれども微妙にサイズが合わなかったらしいもの/そしてまたそれは親と子とでサイズがほとんど同じだということでもある/しかしこれはわりとネガティブな方向の)リーバイ・ストラウスジャパン製のそれを履いているのだけれども、これがブラックなのかインディゴなのか全くわからないままに履いて数日が過ぎてなんとも妙な気持ちだということ。


・または例えば数日前から出窓におられる観葉植物「サンスベリア」は今のところまったく「こより(緑色)」にしか見えないのだけど、それがどこかのタイミングでウェブに載っていた見本のような植物的な様相になられるのだろうか、そうだとしたら、いつ、どんなタイミングで?ということ。これらの「時間とともにわかること」は同時に「今は本当にどうだっていいこと」でもありうるのだ。ということも含めてそれらは何だか安心するくらいに「どうだって良い」のです。


・そして突然壊れるのはipod。約3年前に購入したそれは、このところ頻繁にフリーズするなどどうにも調子が悪く、そうこうしているうちに今朝からすっかり泣き顔になってしまった。そして彼が最後に再生していた曲は安室奈美恵の『Baby Don't Cry』。もちろんそれが2007年心のベストテン・わりと上位(ポップ・チューン・チャート)であることとかはたぶんどうでもよく、「そういえばポッドキャストを入れまくってたのがよくなかったのかなぁ」と色々考えてみるも、単純にそれが「デジタル・オーディオ・プレイヤー」の寿命(あるいは「仕様」)なのだろうということが、いとも簡単に推測されます。


・そしてちょうど明日から小旅行に行くこのタイミングで「せっかくだから」新調してやろうかとも一瞬思うも、たまにはipodなしの移動もそれはそれで良いかもしれないとも思う今。読みかけの本数冊とディスク・マン(というのも粋なのじゃないか/結局音楽は持っていくのじゃないか)そしてxactiなどを携えて行く旅行は、たぶんバスを待つ時間などに関して、ほどほどに退屈が予想され、しかしまたそれこそがこのような小旅行の醍醐味のひとつだとすれば、何かが「ない」ということも含めて、やっぱりなかなか楽しみなのです。