・202301301915。リビングを片づけて、ダイニングテーブルで書いている。
・学位申請論文のオンラインでの公開審査会の日。3時に目が覚めてしまって4時から復習的な作業をはじめる。7時まで。その後湯船に浸かりコーヒーを淹れ飲み、声をかけてくれる家族を見送ったならば、リビングにオンラインで発表するためのセットをつくる。普段作業をしている部屋はあまりにも殺伐としているから、リビングの窓際の白い壁を背景にして、テーブルと椅子を置く。椅子に座った位置から見える棚には、山部の集合写真を立てる。その前に家族を模した人形。その下には観葉植物の鉢。視線の先のパワースポット。
・10時から12時半まで。はじまればあっという間に過ぎる。おおむね無事に終わった。
・昨日の夜ふと、これは自分が受ける最後の「講評」になるかもしれないと思った。振り返れば、10代後半から、自分が制作した何かに対してコメントを貰うという意味での「講評」を幾度も受けてきた。その貴重さを今になってようやく実感している。自分もまた「講評」をする機会があることもあり、話される言葉のありがたさを感じる。講評は実はシンプルな営為なのかもしれないと思う。制作者が試みた道筋を整理し、同時にその仕事の可能性を描くこと。可能性の描き方に講評者の個性が宿る。自分の審査会をそのような場として感じられて良かった。
・昼食後に各種連絡。少し眠る。起きて再び連絡。会が終わった瞬間に街に飛び出そうかと考えていたが、全然そのような力は残っていなかった。あるいは数年の計画におけるXデーである今日を終えれば何らかの感慨が押し寄せてくるかと思っていたが、それも今のところ無い。呆然。
・リビングで静かな打ち上げの準備。走り続けるためにぶら下げていた人参としてのワイン。ファットリア・アル・フィオーレ『Everything is a Gift』。