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  映像研究

人は変わる、そして、人は変わらない

・後から書いておく日記。予報通りに、暖かくこの時期にしては湿度のある土曜日。金曜日までの業務が一旦区切れた。

 

・自分の作業も佳境を迎えつつある。論文の細かな修正点を最終的に洗い出す作業。26時まで続けて少し眠り午前中の作業で目処が立った。

 

・目処が立ったならば出かける。毎年一月二週目の土曜日には、定点観測のように母校の卒業制作展を観に行く。家族や友人とも一瞬合流できた。同じ場所に定期的に訪れることは、ある意志のようなものの形成に関わる。具体的な意味での「場所」についてのメモ。

 

・数年来知っている学生の作品を観て、観たことから考えている。人は驚くほどに育っていく。変化し続けている。そして同時に、根本的なところで、数年の間、同じ関心を持ち続けている。そのことにも驚く。いったいその関心はどのようにして湧き出したのか。この社会で、少なくない者が、ここで関心と呼ぶ何かを、10代の期間に半ば無意識に掴んでいる。そしてそれはきっとその後も、行動や思考の基盤になるのだろう。そのことを考えると不思議な気持ちになる。

 

・「代えがきかない」ということを、自分の生において知っていること。あるいは、そのように生きてしまっていること。それは才能と呼ぶべきか。優れているかどうかを他者と比較することとは関係なく、評価ということとも関係なく、その、関心が根を張っていること自体をあらためて考えていた。そして、そのような関心が形を持った作品に対して、何を言うことができるかについても考える。

 

・今月は大変、大変なことになっている、と繰り返しながら、しかし今日は嵐の前の何かのような日だった。家族と帰路で食事して、本当は初詣のつもりだったが叶わなかった。