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  映像研究

5月だ

 
・5月だ。部屋では衣替え。植物は育つ。電車には冷房。しかし「沖縄より暑い北海道」って何だ。


・天気予報を見ている備忘録。天気予報ばかりを見ているのは、3日からの『山部・vol.6〜雲取山編〜』に備えてのこと。今のところ3日はおおむね「雨のち曇り」とのことで、雲取山に関しては頂上付近はまだ雪が残っているような状況であるから、これはなかなか難易度が高そうだけれどどうしたものだろうと思っているところに、部長からの「可能な限り行く方向で」「経験値を上げる発想で」との連絡が来る。そうなってくると考えるのは例えば、

(略)都会の分業化の進んだ現代的生活の中で私たちは、本当の健康な人間というものを忘れてしまったようです。
ー健康であるとは、僕らの能力を一つ残らず自由に駆使し、しかもその能力の一つ一つを平等に発展させてゆくことであるー
バックパッキングが、自然と融和し、その自然の諸条件の中で生き抜くための、つまりサバイバルの学習のためにあり、その学んだものが完全人として、つまり限りない分業の中で自己の能力のごく一部分に過ぎないものに人間としての存在を収斂させるのが個人の生き方なのだと教える現在の文化社会に反抗するための、真の人間を形づくり、文明人と接触する以前のインディアンのあの自由さと完全さを取り戻そうとするならば、そこにいかなる危険が待ち受けようと、挑戦するに値するものといえるでしょう。
(芦沢一洋『バックパッキング入門』からの抜粋を掲載した「spectator」からの抜粋)


・それが「サバイバルの学習のため」であるかどうかは、あるいは「インディアンのあの自由さと完全さを取り戻そうとする」かどうかはわからないけれども、一文が長過ぎて後半の意味がよく分からないようなテンションに思い入れつつ、そしてそのような思想をどこかで多少なりとも意識しておきたいなと思いつつ、おもむろにバックにパッキングを始める夜。ドライフルーツとアルファ米を、また「ちょっと文明ぽいかな〜(何だかわからない基準だ)」と思いつつ便利そうかつ丈夫そうだからと購入してみた、水を入れるポリ袋「platypus」を、そして愛機「プリムス」を、替えの靴下を、ていねいに詰める。