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  映像研究

この感じ

・繰り返しながらずれていく。あるいは繰り返すことは何もなくすべては一度きり。このいずれもが正であり二つは度合いとして一でもある。その度合いは俯瞰すればなめらかで計算できるグラデーションのようでもありしかし至るところに特異な点もある。その点を出来事と言ってみて、出来事を発見することや出来事を自ら起こすことにはどのような意味があるか。出来事を起こす?は正確な表現か。

 

・繰り返しながらずれていく、についてだった。それは生活の素朴な感じ方で、その感じを掴みながら生きている。その感じを掴みながらであれば、かろうじて正気を保つことができるか。さまざまな文化は繰り返すことに意味を与えている。たとえば一年の意味。

 

・用紙を配る。様子を見る。声をかける。声を聴く。話し合う。などが日々繰り返されている。メッセージを書く。騒ぎながら撮影をする。言葉を贈る。祈る。などが毎年繰り返されている。

 

・自分の年齢で、このように行為を日々あるいは毎年繰り返していることは稀とも考えられるか。積極的に選んだわけではないけれども、そのように生きてしまっている結果として、繰り返すこと自体が自分の精神を形作っていることが、最近になってはっきりと分かった。その繰り返しに揺さぶりをかけることまで含めて、きっと他者には不合理な形で制度化されている。

 

・そして、いつ、どのようにして、この繰り返しに終わりがあるのかと毎日考えている。終わりのヴァリエーションの想像は尽きない。現実は一つ。その想像のいずれとも違った特異として実現される。