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  映像研究

『シネマ』のこと

 
・新しい年になった。駆け抜けるように過ぎる時間。2013年。2013年も10日も経てばすっかり日常になる。しかし日常とは何だっただろうかとまた考える。考えることをやめる。あっさりと考えるのが今年の目標かもしれない。あっさりと考えて、気がついたらとっくに何かをしていた、そういう感じが目標かもしれない。やりたいことも考えたいこともすぐ近くにある。


・それで具体的なことを考えたい。具体的に抽象的な事柄を考えたい。それは例えばジル・ドゥルーズという人の『シネマ』のことで、この年末年始は少し空いた時間には『シネマ2*時間イメージ』という本をそっと読み、やるべきことをするときにはそっと閉じ、そしてまたその本を開き、気がついたら(自分にしたら)結構な分量を読み進めていた。


・ところで思い返してみれば2011年の8月の自分の誕生日にチーム同僚からプレゼントされた『シネマ2*時間イメージ』を本当に必要とする機会がやってくるなんて、贈り物の予言は本当に凄いなと思う。今まさにその本を読んでいます。この場を借りてチーム同僚の皆さん、本当にありがとう。自分もまた、色々な場所での皆さんのご活躍をこっそりと、でもしっかりと祈っております。


・それで『シネマ』だった。数年間パラパラしながらまったくもって意味がわからなかったその本を、この秋から週に一度読むようになり、そしてその合間にも読むようになり、そうするとある瞬間に、つるっと自転車に乗れるように、あ、ちょっとだけわかったかも、という瞬間が訪れて、それで全体の4分の1くらいを何とか読んでみた。相変わらずよくわからない部分が多いけれども、少なくともとても面白い。


・その面白さを傍らにまた新しい年の新しい季節になる。