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  映像研究

 
・薪を手に入れる木曜日。薪を手に入れるためにはどうしたら良いかと考えたならば、山のような場所へ行き「薪を拾う」方法があると思うけれども、この数年の(ほんの少しの)経験から理解したことは、山のような場所へ行き薪を拾うことはそれほど簡単なことではないということで、山のような場所へ行ったとしても、薪のような木はなかなか落ちてはいない。適当な長さ/太さの木が「落ちている」ということはなかなかない。あるいはまた落ちていたとしてもなかなか乾いてはいない。そのようにして、薪のような木を拾っても良いし拾わなくても良いしと思ってトレッキングに出かけた結果、それがただのトレッキングになったことがある。数回ある。


・それで本日は木曜日。T夫妻から引き継いで高尾のはずれにある、某・エコ・グリーン・センターという名称の場所へ。なかなかにロードサイド的な意味でハードコアなロケーションだった。SMDくんとともに車で向かって到着したならばセンターのご夫人に「チェンソーは持ってきた?」と聞かれる。「今日はチェンソーは持ってきていません」という旨を伝えて、チェンソーがなくっても車に積み込むことが可能な、適当な太さの、恐らくは広葉樹かと思われる木を見つけ、選び、拾い、そしてそれを切る作業。センターのご夫人が「割る?」と言って斧を貸してくれたのだけれども「今日はいいです」と言ったら笑われた。笑われつつ終止和やかに作業。焚き付けの木の皮的なものまでくれた。ありがたい。切った木はせっせと積み込む。


・それで家の庭部分には通常の平屋には絶対に必要のない種類の薪のような木が積まれる。その見た目はちょっと良い。約二週間後にその木は燃やされて、その燃えた熱は私たちを暖めるのだろう。あるいは私たちを踊らせるのかもしれない。リズムとかメロディーに似たイメージを浮かべるための装置に、その装置を起動させるための力になるかもしれない。そんなことを考えながら車にて西東京横綱的な存在であるらしい某カレー店へ。汗をかきながらカレーを食べる。フェスティヴァルの相談もする。車で実家に帰宅する24時。