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  映像研究

花粉、電気

 
・2日(水)はほぼ一日自宅作業及び待機。待機とはいえ何かを待っているわけでもないので、ひたすら某カレー店の本棚『&文庫』の作業。一年を通じて色々な種類の(しかし実際はかなり限定された種類の)古書をキャッチ&リリースしているが、2年と少し、細々とやってきて少しずつどのような本を置いてみたら面白いのかわかってきたような気がする。「読書の秋」とは言うが実際人はわりと春に本を読むのではないかとかも思う。だから春には特に春らしい新しい本を沢山セレクトしようと思う。そして植物や山登りの本の中に、あるいは文化や芸術の本の中に、「うっかりすると人が道を踏み外すような本」も混ぜていこうと思う。そうでなければ何も面白くない。そんなことを考えつつ昼過ぎからはUSTREAMにて『モラトリアム・カミノセキ』を見る。その後グラシン紙が不足し高尾から一番近い世界堂を探したところ立川だったため、昨日につづきまたも立川へ。夕方の立川は人が多い。立川=町田=大宮=ルミネ帝国=周縁的新宿説、は正しいと思いつつ帰宅。



・3日(木)は引き続き自宅作業及び読書。家にいてもKがつく粉が攻めてくるような気がして全く集中できず。仕方がないのでドラッグ・ストアへ行き数々のカプセルの入った箱の前で悩み、悩みに悩み、悩んだ末に「甜茶」購入。気休めだとしても今シーズンは甜茶を実験してみることに決めた。しかしオンライン上の情報を見たところ「花粉が飛ぶ2〜4週間前から一日3回は飲んで下さい」とあったので、それは本当に気休めに過ぎないかもしれない。でも飲む。とりあえず甜茶はデフォルトで非常に甘いということがわかった。甘いお茶を飲む習慣がない。でも飲む。帰宅して晩ご飯の準備しつつDOMMUNEを見る。「都市型狩猟採集生活」で坂口恭平とという人と、鎌仲ひとみという人、飯田哲也という人による「(ゼロから始める)電気と発電、そして原子力自然エネルギーについて」。このようなラインナップでどうなるのだろうと(勝手に)不安だったものの、概ね非常に面白かった。特に「それは誰だって自然ネルギーの方が良い、と考えているのではないか」と仮定した上で、じゃあそれを広めていくためには、政策的なレベル、個人のレベルで何ができるだろうか、というような話の流れは、これまで自分が調べてきた情報の中ではあまり見つけられなかったので、とても良い。「ギャルソンがソーラーパネルとか作れば良いんじゃないか」というような発想も、それはそれで良い。個人が実験的に発電をしてみる、ということも良い。そのような自分の生活から「エネルギーの話」にフェード・インしていくのは良い。良いのだけれどもしかし、そのことと「今まさに進んでしまう物事を止めようとする」ことは、また少し(というか全然)別のことだということも確認できた。というようなことも含めていろいろ考える夜。



・4日(金)は興味を持ったことは可能なかぎりにおいて調べてみようという好奇心と休暇であるライフスタイルがなせることとして、環境エネルギー政策研究所(ISEP)のシンポジウム『持続可能なエネルギー社会に向けて、これまでの10年を振り返り、これからの100年を展望する』へ行く。国会周辺に行くことなどほとんどないのでそれはそれで楽しい。もちろんシンポジウムの内容も興味深く聴く。竹村真一という人の「『エネルギー』について、あるいは『エネルギーと食』について考え、学ぶことが、他のあらゆることを考える要になるのではないか」という話も良かったし、宮台真司という人の「新しい流れを作るためには『中間集団(共同体)』が必要で、そのことによって『市場依存』や『国家依存』を乗り越える」というような関係の設定は非常にわかりやすかった。『市場依存』にしても『国家依存』にしても、それはそのように言葉にしないと考える対象にならない。そして『中間集団(共同体)』については、ISEPのようなNPOもそうであると思うけれども、しかし一方自分としてはその議論を曲解するようであっても、もう少し「あたらしい文化」に引き寄せて考えたいとも思う。考えつつ夜は国立で「卒業制作を手伝ったクルーのための作家からの御礼の会」ということで、山部メンバー集合。手づくりであるがゆえに豪華なパーティー。これもまたひとつの中間集団(共同体)であるという理解。しかし最近ほとんど飲酒していなかったので、ビール&ワインによって後半どんなことを話していたのか記憶がない。終電一本前で帰宅してそのまま就寝。