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  映像研究

そうしてまるで夢のようなフェスティヴァルがはじまる。

 
・11月27日はとうとうはじまる、私たちのフェスティヴァルの初日。前日までの準備にやや不安がありつつもあとは即興的な発想に託してみようという考え。八王子駅でカーをレンタルして東へ向かう。途中一瞬だけぱらりと雨が降って驚くも、日頃の行ないは間違いなく良いのでその後は青天。小金井で本日のディナーであるところのカレーとそのカレーのクルー達をピックアップしたならばUターンして高尾。部長宅から、竹の椅子、プロジェクター、食料、お酒など積み込む。つづいてうちから、会場の飾り付け、薪、本など積み込む。そして一路藤野へ。道中は「イン・カー・ライブ」。合唱曲を回想しつつも、主にCJくんのギターで歌唱の練習。そして紅葉に感嘆の声を上げているとあっという間に現地へ。



・会場入りした途端に怒濤の準備が始まったので、備忘録しているが記憶は正直曖昧。早速の焚き火。早速の椅子設置。早速のスモーク。やや遅れての受付対応。「物々交換スペース」の開設をしつつ、インターネットをひく。また「お楽しみ会」の会場設営をみんなでやる。校内放送は順調にマチャアキを放送。ピザ窯の説明も受ける。どんどん人が来る。携帯電話の電波が微妙に届かないので連絡を取るのもひと苦労。誰もが辿り着くのにひと苦労するフェスティヴァル。そうこうしている間にPAの準備。会場にあった機材が予想以上に本物のそれだったので「わ、フェスみたい。」と思わず。照明のセッティングは、天井から電球を吊るしただけしかできなかったが「山小屋的なイメージ」という解釈が可能だったので、そういうことにさせてもらう。解釈は非常に大切。



・7時から夕食。「いただきます」の挨拶で約40人が食堂にてfrom小金井のカレーを美味しく食べはじめる。「配膳はセルフサーヴィスでお願いします」という指示もする。カレーが盛られたお皿は葉っぱで出来ているお洒落な代物なので、食べ終わった後は協力して校庭の焚き火で燃やしてもらう。この時点で「これ、フェスじゃなくない?」という声が聴こえたような聴こえないような、ともかく完全によくわからない空間が生まれつつあることに、たぶん気づいている人(結構多い)は静かに震えていたはずの展開。そして8時半からは「お楽しみ会」もはじまる。「お楽しみ会」っていう単語を真剣に発する日がとうとうやってきた。「お楽しむための会」であれば年齢問わず「お楽しみ会」で良いと思う。



・「お楽しみ会」がはじまる。しおりに書いた適当な英文は「GOOD MUSIC & SMOOTH TALK」だったのだが、本当にそのとおりになって良かった。良い音楽と楽しいおしゃべり。すべてがあの空間にあるべき音楽で、演奏する人や喋る人のかんじが伝わってくる良い時間だった。唯一自分たちの発表が準備不足もあって一瞬放送事故っぽくなったのだけは今後の反省材料。しかしそれもまた勉強であるという、これもまた解釈。そして本編が緩やかにフェード・アウトする、そのタイミングでついつい自分も振られるがままに歌ってしまった。司会兼飛び入り歌唱は7月のT家結婚式につづいて二度目なのだが、最近どんどん人前での歌唱に対してハードルが下がってきている。CJくんの伴奏で『さらば恋人』と『いちょう並木のセレナーデ』をカバー。その後歌えそうな人が次から次へと歌唱するタイムへ移行。混沌とした、しかしこの会の趣旨としては完全に正しすぎる時間へ突入する。「ヒップホップ」と「フォーク」の意味がわかる。



・そのまま「お楽しみ会」の会場でぐっすり眠る人びとはそれとして、残った人びとで食堂で明日の朝ごはんの相談などしつつ歓談。何を話していたのか全く覚えていないけど漠然と「楽しかった」という記憶はあるという、キャンプや修学旅行特有の感覚がこの時間に訪れた。そのまま食堂で仮眠する。長い一日が終了。