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  映像研究

10円から始まる一日。

 
・本日もまた竹を切ったり竹を測ったり竹を拭いたりする日々。朝早くから活動。工房となりつつあるT邸へ向かう道すがら、いつも行く昔ながらの商店で、先日の作業で外れてしまったのこぎりの刃を固定するためのビスなどを求める。このような状態なのですが、と持ち手の部分と刃の部分をおばちゃんに見せて、倉庫からぴったりくるビス、ナット、スプリング・ワッシャーを探してもらう。ぴったりきた。レジスターを叩きながら「えー、と。ビス。ナット。ワッシャー。で。あ、ちょうど10円。」と笑顔で言われて10円を払う。この一連の出来事の何かが面白いのだが、それを説明することができない。これがホームセンターだったら「何となく100個くらい入っている何となく300円くらいの商品」を3つ購入しただろう。しかしこの場合自分はのこぎりを固定したかっただけなのだということ。何となく気分が良かったので隣の和菓子屋で大福を購入してT邸へ。



・T邸にて早速さきほどの10円の話をして、近況報告的に最近夫妻も観に行ったらしい『ミツバチ』の話から「トランジション・タウン」の話題なども。「10円の話」と「ミツバチ」「トランジション」はどこかでつながっている気がする今日この頃。しかし今日はそのようなことを考えている日ではなくて、とにかく手を動かす日なのだった。あるいはとにかく竹を見る一日だ。奴らの一本一本の特徴をきちんと見定めなければ納得のいくプロダクトは作れない。そしてその竹は「淡竹(はちく)」という竹のようだった。他にも「孟宗竹(もうそうちく)」「黒竹(くろちく)」とか竹にも種類があるようだ。ちなみに「淡竹(はちく)」は「破竹(はちく)の勢い」とは漢字も違うし関係ないようだ。いろいろ勉強になるなぁ。



・それで夕方に帰宅して本棚及び床に積まれた本などの整理整頓のつづき。年に二度くらいはこのような期間が必要だ。そして並べられた、あるいは積まれた本を見ていると今の自分がどこを経由してどのようなことを知りたいと思っているのかがわかる、ような気もする。T邸のお隣さんに何故かこちらの分まで頂いてしまった今年初の「おでん」を食しつつ夜のひととき。各種連絡網を回す。そうすると確実に来ていることがわかるのは「年末感」。なんなんだあれは。先週某カレー店I・Fにてフライング気味にデ・ラ・ソウルポール・マッカートニーのあれ、あのクリスマスの曲を聴いてしまって、一気に景色が歪んだ。一気にワンダフル。景色とともに時間も歪んでひとまわりする予感。それが年末感。忘年だってするのだろう。しかしその前には少し違ったフェスティヴァルをするのだった。